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設計や資金計画についてのご相談は、
何でもお気軽にお寄せください。
戸建てフルリノベーションを考えるなら使う材料を選ぶ
屋根や外壁、内装材にしても様々あります
メンテナンス性に富んだものや防火性に優れている者などメリットデメリット様々です。
ここでは各々解説していきます。
戸建てフルリノベーションの屋根材について
屋根を葺き替える際は、新しい屋根のデザインに考えが行きがちなんですが、今の屋根の撤去費用や下地処理を考えてコスト調整をして頂きたいと思います。
屋根の葺き替えにかかる費用
戸建リノベーションで屋根を葺き替えたいと言われることがありますが、元々がセメント瓦だったりすると、このセメント瓦を撤去する費用が必要になります。
セメント瓦をガルバリウム鋼板の屋根にする場合、下地の補修工事も必要です。
40坪の総二階の家の屋根ですと、セメント瓦を下す費用としておおよそ30万円かかります。
また、ガルバリウム鋼板に葺き替える場合、雨音などの防音対策と鼻先の取り替えなどの大工工事がおおよそ40万円かかるわけです。
ですので、新しいガルバリウム鋼板屋根の工事費プラスこの費用が掛かると思ってください。
ガルバリウム鋼板屋根に葺き替える場合、屋根の厚さが変わりますので、屋根の鼻先の淀矢といわれる部分を、取り替えなくてはなりません。
雨やあられの防音対策として、屋根の中にクッション材を敷き詰める必要もあります。
これらをきちんと処理してから、ガルバリウム鋼板屋根に葺き替えて頂きたいと思います。
セメント瓦を撤去して焼瓦に葺き替える場合は、これらの補修工事は必要ありませんので、そのまま新しい焼瓦に乗せ替えられます。
ですので、補修工事の費用分を新しい焼瓦の材料費にかけられるということです。
役物瓦とは
ただし、瓦には役物がありまして、これによって金額の差が非常に出てきますので、今の屋根の形状を把握しておくことが大事です。
役物とは、写真のような田舎づくりの屋根ですと、本棟といって屋根の一番てっぺんの棟の部分、建物と屋根の繋ぎ目の土居棟などがあり、それぞれ鬼瓦が必要だったりしますので、そのような役物が増えれば増えるほどコストが上がります。
ですので、どういう屋根にするか、どういう材料にするか、それにはどういう工事が必要かによって、新しい屋根を選ばなくてはなりません。
単純な屋根であれば、戸建リノベーションの場合はガルバリウム鋼板も焼瓦もさほど費用は変わりませんので、メンテナンス性なども考えながら選んで頂ければと思います。
焼瓦について
焼瓦はメンテナンス性が抜群ですので、役物が少ないならおすすめです。
役物とは何かというと、屋根の平らな部分の瓦ではなくて、棟の部分などに用いられる特殊な形の瓦のことを言います。
例えば、棟の端部に使う鬼瓦、軒先に使う軒(のき)瓦、切妻屋根の端部に使うけらば瓦などがあります。
役物が少ない切妻屋根であれば、費用も抑えられますので、焼瓦もいいんじゃないかと思います。
屋根材 焼瓦の利点
利点としましては、やはりメンテナンス性が良いというところです。
屋根の役割は、屋根の美観と雨漏りから守るということです。
陶器瓦は約60年の耐用年数があるので、約60年は美観を損なわない屋根とすることができるといえます。
瓦自体は劣化しないので、外部的な要因(踏み割れ・落下物)がなければ問題ありません。
(雨漏りから守るルーフィングなどの機能は屋根材の耐用年数とは異なります。)
あと、焼瓦を葺きますと重厚感があって、建物のグレードが上がります。
こういうところも利点かと思います。
屋根材 焼瓦の欠点
欠点としましては、重量が重いということです。
耐震性を考えると焼瓦は重いから諦めるという方がいます。
けれども、重量が重いのであれば、建物を強くすればいいだけのことです。
最初の設計の段階で、どこまで建物を強くしていくかというところがポイントになります。
また、欠点として、屋根の形状によってコストがバラつくということがあります。
先ほどもお話ししましたが、役物がどれくらいあるかによってコストがかなり変わりますので、気を付けなければなりません。
屋根材 焼瓦のコスト
コスト的な面としましては、ガルバリウム鋼板ですと、40坪の総二階の建物で、材料と施工費を合わせて60万円くらいです。
焼瓦の場合は、120万円くらいになりますので、とても高いイメージになりますが、戸建リノベーションの場合はガルバリウム鋼板と焼瓦を比較すると、実はあまり変わりません。
戸建リノベーションでガルバリウム鋼板に葺き替える場合、鼻先をガルバリウム鋼板用に変えたり、雨音対策などで大工さんが屋根下地をつくり直す工事が必要だったりします。
そうすると、ガルバリウム鋼板の費用プラスそれらの工事費用が掛かりますので、焼瓦の場合とそれ程変わらなくなります。
長い目で見て、メンテナンスのことを考えると、長持ちする焼瓦はおすすめです。
これらのことと、コストバランスをしっかりと考えて頂きたいと思います。
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板はいろいろなところで使われています。
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛を主とした金属板の一種で、主要な屋根材の一つです。
業界では「ガルバ」や「GL鋼板」などと略されます。
新築の場合はいいのですが、リフォームの場合は注意が必要です。
例えば既存がセメント瓦ですと、ガルバリウム鋼板にする場合は、下地を治す費用も掛かります。これは覚えておいて欲しいと思います。
ガルバリウム鋼板の利点
このガルバリウム鋼板の利点は何かというと、やはり軽いということでしょうか。
耐震性能を気にされる方は、屋根を板金にしたいといいます。
屋根を軽くすることは、耐震性能に関しては非常に良いことだと思います。
また、基本的には錆びません。
表面から錆びることはないんですが、ガルバリウム鋼板は切断した小口から錆びるという欠点がありますので、切断面にタッチアップ塗装をして錆びにくくする工程が必要です。
また、屋根勾配を抑えることができるという利点があります。
既存の屋根や、新しくつくる屋根に勾配を取れない場合は、板金系の屋根で勾配を緩くすることができます。
ガルバリウム鋼板は他の屋根材と比較しても、水はけ能力に優れているため、瓦やスレート屋根では対応できない勾配の緩い屋根にも広く対応することが可能です。
ガルバリウム鋼板の欠点
欠点としましては、やはり塩害地域に弱いといういうことでしょうか。
「メンテナンスはいらない」などの誇張表現が使われる屋根材ですが、ガルバリウム鋼板と言えど、メンテナンスは必須です。
基本的には錆びませんが、切断面の小口の処理が必要ですので、塩害地域は気を付けていただきたいと思います。
また、きちんと処理をして施工すれば、確かに錆びないんですが、経年変化で、塗装の艶が無くなって、見た目が悪くなるということがあります。
塩害地域では、早く艶が無くなるということも考えましょう。
基本的なメンテナンスとして、1年に1回は水洗い、5年に1回は点検、10年に1回は再塗装をすると、見た目も持ちも良くなります。
耐火性能については、板金ですのでさほど良くはありませんので、注意してください。
よく言われるのが防音性についてです。
ガルバリウム鋼板は薄いので、音や振動が伝わりやすく、雨音が響きやすいのも欠点の一つです。(屋根勾配が緩いお建物の場合は、特に響きやすい)
雨やあられが屋根に当たると、その音が室内に響きますので、防音対策が必要です。
これらのことを考えて、ガルバリウム鋼板を使った方がいいのか悪いのかを考えて頂きたいと思います。
ガルバリウム鋼板のコスト
コスト面では、40坪の総二階建ての家であれば、素材と貼り手間を合わせて60万円くらいかと思います。
ただし、戸建リノベーションの場合は、既存のセメント瓦をガルバリウム鋼板に変える際、防音対策が必要ですのでその分のコストが掛かります。
また、セメント瓦の鼻先をガルバリウム鋼板用の鼻先に取り替えなければなりません。
そうなると、大工さんにも入ってもらうことになりますので、その費用も掛かります。
これらを踏まえて、ガルバリウム鋼板にするかどうかを確認して頂きたいと思います。
古い屋根のメンテナンス
昔の屋根材が何なのかということと、どんな問題点があるかでメンテナンスのやり方が変わります。
セメント瓦
例えば、セメント瓦の家をよく見かけます。昔は、このセメント瓦が普及していました。
1970年代から1980年代に流行したセメント製の屋根瓦のことです。
当時、セメント瓦は陶器瓦より価格が安く製造しやすかったため、住宅不足が顕著だった高度経済成長期に広く普及しました。
やはり価格が安いとうのが当時のメリットだったと思います。
しかし今は、このセメント瓦は現在生産していなくて、どうしてもという場合は特注になります。
つくることはできるんですが、実際は、セメント瓦と焼き瓦の値段はそれほど変わりませんので、近頃は使われなくなりました。
一般的にセメント瓦は陶器瓦よりも寿命が短いとされています。
理由は、セメントが水分を吸収する点があげられ、特にセメント瓦の塗膜がはがれると、雨水を吸収しやすくなり、屋根の耐久性が低下するといわれているからです。
そのため、セメント瓦は最低10年に一度はメンテナンスが必要になります。
多少価格が安くても、その後のメンテナンスに費用が掛かってきます。
スレート瓦
また、スレート瓦というものが特に西日本で多く見受けられます。価格が安いというところがメリットです。
「スレート」は、外国では「石」のことを表します。
ヨーロッパでは、お城などの文化財は石でできた屋根を使っているため、建築物そのものがとても強固です。
このように文化財などに使われるスレートは、厳密には「天然スレート」といいます。
ただし、天然スレートは本物の石をベースにつくられているため、重量があり、しかも非常に高価で、一般の住宅向けとはいえません。
そこで登場したのが、「化粧スレート」です。
業界的には「カラーベスト」や「コロニアル」、「スレート瓦」とも呼ばれる屋根材で、要するに「セメントを固めて塗装してできた板」です。
今も、このスレート瓦は使われていますが、雪国にはあまり合いません。
なぜかというと、雪が入り込んで雨漏りの原因になることがあるからです。
それで屋根を葺き替えたいという相談も受けます。
トタン屋根
あとトタン屋根ですね。今の板金屋根とはちょっと違います。
トタン屋根とは、住宅や工場、倉庫などに使われている金属屋根の一種で、薄い鋼板に亜鉛をメッキした“トタン板”で作られています。
日本では大正時代から徐々に普及し始め、それまで主流だった日本瓦の屋根よりも安価で施工期間も短いことから大流行し、戦後の高度経済成長期には全国各地の住宅で施行されるようになりました。
現在ではあまり見かけなくなり、金属屋根材としては、亜鉛にアルミニウムを加えてサビにくくした「ガルバリウム鋼板」に進化しています。
昔のトタン屋根は、やはり塗装が頻繁に必要です。
錆止め塗装をしっかりしておかないと、錆で穴があいてしまって、そこから雨漏りがしたりしますので、今はほとんど使われなくなりました。
それで、今の屋根を取り替えたいという相談もよくあります。
屋根のメンテナンス方法は原因によって変わる
今の屋根が、経年劣化したので取り替えたいのか、雨漏りなどの支障があって治したいのかによって、どう治すかが変わってきます。
例えば、セメント瓦ですと、表面に砂が浮き出てしまっていても、しっかりと目止めをして、塗装すれば使えるというものも、年代によってあります。
確かに、新しいものに葺き替えれば一番いいんですが、これもコストとの兼ね合いかと思います。
近頃は、今の屋根をそのままにして、その上に新しい屋根を貼るカバー工法が結構あります。
ただし、重量が重くなることの対処と、屋根の下地が傷んでいないかを確認してから施工するということが大事です。
それをせずに、カバー工法で屋根を貼ってしまうのは、非常に怖いことだと思います。
ですので、しっかりと下地を確認してから、今の屋根をどう治すのかを考えて頂きたいと思います。
コストを考えながら、塗装にするのか葺き替えにするのかを考えて頂ければと思います。
戸建てフルリノベーションの外壁材について
外壁材にも様々あります。
まずは種類をご説明し、メンテナンスや工法についても触れていきます。
近代漆喰
近代漆喰の利点
何が良いかというと、メンテナンス性が高いというところです。
あと耐震性、耐久性にも非常に優れています。
そういう部材ですので、少し勉強していきましょう。
どういう施工方法かというと、まず建物の外周りに面材を貼って耐震性能を上げます。
この面材ですが、通気性のある部材が一番いいと思います。
その後、発泡材の下地を打ち付けます。
写真のように、発泡剤の下地を打ち付けたあと、その上にメッシュシートを貼っていきます。
メッシュシートを貼ると、建物が揺れたときにそれがしっかりと効いて、窓周りなどでの亀裂が起きにくくなります。
このメッシュシートをベースコートという素材でしっかりと固定していくのが大事です。
その後、漆喰を塗っていきます。
漆喰というと、昔からある漆喰を思い出すかもしれませんが、これはアメリカ製の材料ですので、和風というよりは洋風のデザインになります。
骨材が入っているので、凸凹しています。
凸凹していると汚れが付きやすくなりますので、表面にしっかりと撥水コートを掛けます。
そうするとホコリがついて汚れても、ホースで水洗いすることで汚れが落ちます。
長所としては、下地の発泡剤にメッシュシートを貼ることで、亀裂や割れを防ぐことができることと、撥水コートを塗ることによって汚れ防止をすることができるということです。
また、軽い外壁になりますので、耐震性にも非常に良いところです。
この、面材から外壁素材、ベースコート、仕上げの漆喰、撥水コートがすべて通気性があるので、壁内結露(内部結露)が起きにくいという利点もあります。
近代漆喰の欠点
ただし、短所もあります、
これだけの工程がありますので、どうしても工期が長くなります。
特に、冬場にこの漆喰の外壁工事をしたりすると、天候に左右されて工程がズレ込む恐れがあります。
ですので、最初からそれらを見越した工程を組んだほうがいいと思います。
近代漆喰のコスト
コスト的な面をお話しすると、一般的な塗装品窯業系サイディングですと、40坪の家で200万円くらいですが、漆喰の外壁の場合は250万円くらいになります。
やはりコストはアップします。
ただし、後々のメンテナンスを考えますと、漆喰の外壁もやる価値があるかなと思います。
また、戸建リノベーションで建物の築年数がかなり経っていたりすると、頑丈につくるだけではダメで、揺れて元に戻るつくり方というのも、設計のなかで非常に大事になってきます。
堅い外壁ですと、揺れて元に戻ったときに、どうしても亀裂が入ったり破れたりしますが、この漆喰の施工方法ですと、揺れても亀裂が入りにくいという利点があります。
窯業系サイディング
今国内で圧倒的に使われているのがこの窯業系サイディングです。
セメントを主原料に、大きな窯を使って製造するので窯業系(ようぎょうけい)とよばれています。
窯業系サイディングのメリットとデメリット
この窯業系サイディングは防火対策には非常に良い材料です。
ただし、メンテナンスを頻繁にすることになりますので、何を大事にするかをしっかりと見極めて欲しいと思います。
窯業系サイディングの耐火性以外の利点としましては、種類が豊富であるということがあります。
いろいろな種類があって、建物のデザインを考える際には、非常に便利な外壁材です。
また、コストの面でも安く抑えることが可能です。
ただし、窯業系サイディングの欠点としては、繋ぎ目を埋めるためのコーキングの傷みが早いということがあります。
そのために、こまめなメンテナンスが必要になります。
また、表面の塗料の劣化の問題もあります。
表面塗料の劣化を放置しておくと、表面が凸凹してきて、外壁材自体を貼り替えなくてはいけなくなりますので、注意が必要です。
また、内部結露による影響があります。
建物の断熱性能があまり良くないと、どうしても壁の中に湿気が溜まってしまい、窯業系サイディングはその湿気を裏側から吸ってしまいます。
そうすると、表面の塗装塗膜と素材の間に水分が溜まってしまって、冬の寒い時期にそれが凍結膨張して剥がれてしまったりします。
そのため、窯業系サイディングは、どうしても短いスパンでのメンテナンスが必要になります。
イニシャルコストは安いんですが、このメンテナンスというものを考慮しながら選ぶことが大事です。
コストについては、窯業系サイディングを約40坪の家で使用した場合、おおよそ200万円くらいかかります。
メーカーのホームページを見ますと、素材の値段は出ているんですが、現実的には、素材、コーキング剤、施工の貼り手間がかかります。
コーナーに使用する、出隅や入隅などの役物も必要です。
これらを合計すると、40坪の家ではやはり200万円ほどかかります。
地域によって値段は異なりますが、そのくらいはかかるものだと思ってください。
金属サイディング
結論から言いますと、金属サイディングは防火性能に関しては劣りますが、メンテナンス性は非常にいいですね。
よく大工さんが自分の家を建てるときに、この金属サイディングがよく使われています。
やはり、良いものは良いということで選んでいる職人さんや大工さんが多いということでしょうか。
この金属サイディングは、一般的な板金外壁とはちょっと違います。
外壁素材として、この金属サイディングという規格がありますので、これについてお話します。
金属サイディングの利点
利点としては、表面の耐久性が良いということがあります。
金属製ですので、表面が凸凹になって悪くなるということがないのが大きな利点です。
あと、軽いということも利点です。
家の耐震性を考えると、軽い素材というのは非常に利点になります。
金属サイディングの欠点
欠点としては、塩害には弱いということがあります。
海に近い地域ですと、あまり使われない材料です。
金属サイディングでも、ちょっと違ったステンレス製のものもありますので、塩害地域では、そういうものを選べばよいと思います。
あと、耐火性に関しては弱いです。
金属サイディングには耐火性がありませんので、金属サイディングだけで外壁を仕上げるのはちょっと怖いと思います。
また、戸建リノベーションですと和風デザインの外壁が必要になったりします。
元々の瓦屋根の家に新しい外壁を貼る場合、どうしても和風デザインになります。
金属サイディングは、洋風のものは種類が多いんですけど、和風のデザインが少ないために、なかなか使いづらかったりします。
また、金属サイディングの裏地には発泡剤が貼ってあります。
営業マンの方が、発泡剤が貼ってあるので、金属サイディングを使うと断熱性能も良くなると言って勧めているのを聞くと、ちょっと眉唾だなといつも思っています。
裏の発泡剤はあくまでも音止めです。
なぜかというと、外壁の裏に通気胴縁を設けて風を通すわけですから、金属サイディングを貼ることで、建物の断熱性能が上がるわけではありません。
あくまでも、雨やあられなどが外壁にあたる音を、家の中に伝えにくくするための材料ですので、そこは覚えておいて欲しいと思います。
金属サイディングのコスト
コスト的なものをお話しすると、一般的な塗装品窯業系サイディングの場合、40坪の家で200万円くらいかかります。
金属サイディングですと、それよりも若干高くなります。
素材的にはそれほど価格は変わらないんですが、役物がたくさん必要になります。
素材、コーキング、貼り手間、役物を合わせると230万円くらいになります。
塗装品窯業系サイディングの1~2割増しくらいになると思います。
耐火性については、建物自体に耐火性のある面材を使って耐震性能を補っていれば、金属サイディングだけでもいいんですが、特に新築の場合、ただ単に外壁として金属サイディングを貼るだけでは確認申請は通りません。
別に、耐火工事が必要になって、下地に火に強いものを打ってから、金属サイディングを貼ってくださいということになります。
この耐火工事で約70万円くらい上がってくるのではと思います。
これは地域によって変わりますので、耐火工事が必要ない地域であればかかりません。
これらをよく見極めながら、金属サイディングを考えて欲しいと思います。
無塗装窯業系サイディング+タイル
結論から言いますと、メンテナンス性は非常に良いのですがやはりコストが掛かりますので、コストバランスをしっかりと考えて選んで頂きたいと思います。
無塗装品の窯業系サイディングを、外壁の下地として貼り、その上からタイルを貼るわけですから、外壁が二重になるということになります。
無塗装窯業系サイディング+タイルの利点
利点としましては、表面がタイルなので傷みにくく、メンテナンス性が非常に良いということがあります。
また、窯業系サイディングを下地で貼ってコーキングをした上にタイルを貼りますので、コーキングも傷みにくいです。
耐火性能も非常に良いと思います。
ですので、外壁として大事なことはクリアしているということですが、やはり欠点もあります。
無塗装窯業系サイディング+タイルの欠点
やはり工期が長くなることですね。
工期が天候に左右されるということもあります。
また、外壁を二重に貼ることになるわけですから、重量が重くなって、耐震性の面では欠点ということになります。
今は窯業系サイディングを貼った後にタイルが引っ掛けられる材料もありますので、以前よりモルタルをたくさん使わなくても良いようなやり方もあります。
そうするとサイディングとタイルの重量の合計だけでいいのですが、それでもやはり重くなります。
ただし、最初から窯業系サイディング+タイルの外壁にするのであれば、建物の耐力壁を増やして、その重量に耐えられるだけのしっかりした建物にしてあげればいいと思いますので、最初からの設定というのが大事になると思います。
無塗装窯業系サイディング+タイルのコスト
コスト的な話をしますと、一般的な塗装品窯業系サイディングですと40坪の家で200万円くらいかかりますが、この無塗装品窯業系サイディング+タイルという施工ですと、倍以上の約450万円くらいかかることになると思います。
メーカーのホームページなどには、素材の値段は出ているんですが、それ以外に貼り手間、コーキング、役物などがかかりますし、それにプラスしてタイルの素材と貼り手間がかかりますので、その分コストがかかってしまうのは、しょうがないことなのかと思います。
コストバランスをしっかりと考えて選択しましょう。
ALC+吹付塗装
結論から言いますと、防火対策には非常に利点がありますし、重厚感もありますが、コスト的には高くなりますので、コストバランスを考えて頂ければと思います。
まず、ALC板とは何かといいますと、軽量コンクリートの板です。
厚さは25㎜から40㎜ありますので、凹凸がはっきりと表現できるので、デザイン性のある外壁ができます。
これにより、重厚感があり見た目の良い家になるということが利点になると思います。
ALC+吹付塗装の利点
ALC板には塗装品がありませんから、上から吹付塗装することが必要になりまので、コーキングが傷みにくいということも利点です。
また、コンクリート板で厚みがありますから、防火性が非常に良いです。
これによって、火災保険が安くなる場合もあります。
ALC+吹付塗装の欠点
ただし、欠点もあります。
やはり現場で塗装しますので、塗装の劣化が考えられます。
その分、塗装に関するメンテナンスをこまめにしてあげる必要があります。
現場で塗装することになりますので、工期が長くなりますし、天候にも左右されますので注意が必要です。
実は、ALC板は窯業系サイディングよりも大きさが小さいんですね。
小さいということは、コーキングをする長さが長くなりますので、その分コーキングの費用が結構かかります。
また、以前よく寒冷地には適さないと言われていました。
寒冷地で使用すると、凍結して外壁が傷みやすいということが結構ありました。
でも最近は、寒冷地用のものがあるようですので、メーカーのホームページなどで調べて頂ければと思います。
コスト面では、窯業系サイディングは、40坪の家で200万円くらいかかるのに比べて、ALC板+吹付塗装は320万円ほどかかりますので、やはりコスト高になります。
実際に外壁を貼るには、外壁材以外に、役物、貼り手間、コーキングが必要で、その後に塗装をする訳ですから、これらを全部足していくと320万円くらいになって、やはりコスト高になります。
コストは高くなりますが、それなりに見た目は良くなります。
つまり、良いところと悪いところがありますので、コストバランスとメンテナンス性を考えながら、外壁材をどうするのかを考えていって頂ければと思います。
無塗装窯業系サイディング+吹付塗装
塗装されていないサイディング材に吹付塗装する工法です。
無塗装窯業系サイディング+吹付塗装の利点
無塗装の窯業系サイディングに吹付塗装した場合の利点についてお話します。
下地が窯業系サイディングですので、防火対策には非常に良いと思います。
また、デザインに関しても、自分で、色や塗装の素材を選択できますので、デザイン性重視の建物には適していると思います。
ただし、やはりどうしてもこまめなメンテナンスが必要になるということは覚えておいてください。
あと、コーキングが傷みにくいということがあります。
下地の窯業系サイディングを貼ってからコーキングをして、更にその上に塗装するわけですから、コーキングに塗装で膜を張るということになります。
そうするとコーキングが傷みにくくなって、その分長持ちするという利点はあります。
無塗装窯業系サイディング+吹付塗装の欠点
では、欠点についてお話します。
塗装の劣化が早いということがあります。
塗装品の窯業系サイディングは、工場で塗装しているので、それなりに持つんですけれども、現場塗装というのはどうしても1年以上経つと色が褪めてきたり、塗装が剥がれてきたりという現象が起きてしまいます。
ですので、無塗装の窯業系サイディングに吹付塗装ということに関しては、これらも考慮して考えていって欲しいと思います。
また、工期が長くなるというのも欠点ですね。
下地に窯業系サイディングを貼ったあとに、更に塗装するわけですから、塗装する分の工期が長くなります。
外壁の塗装工事は天候にも左右されますので、時期によっては工期が延びる恐れがありますので、気を付けて頂きたいと思います。
あと、下地が窯業系サイディングですので、内部結露に弱いというところがあります。
断熱性能がそれほど高くない場合、家の中をどんどん暖かくすると、壁の中の内側と外側に温度差が起きます。
そうすると壁の中で結露が起きてしまい、湿気が溜まります。
窯業系サイディングは裏側から湿気を吸いますので、劣化したり、ひどい場合は柱などの木が腐ってしまうということがあります。
これらが、欠点になると思います。
無塗装窯業系サイディング+吹付塗装のコスト
コストの面でお話をさせてもらうと、一般的に塗装品の窯業系サイディングを約40坪の家に貼った場合、200万円くらいかかります。
無塗装の窯業系サイディングに吹付塗装ですと、塗装費が追加されますので、250万円くらいになります。
外壁メーカーのホームページを見ると、素材の値段は出ているんですが、現実的には、外壁の貼り手間、コーキングの手間、コーナーで使用する出隅などの役物、最後の塗装工事などを全部足すとこれくらいの金額になっていくと思います。
やはり塗装品のサイディングよりは高くなりますが、デザイン重視、特に店舗などでは、無塗装の窯業系サイディングに吹付塗装ということも良いと思います。
こだわりも大事ですから。
でも、欠点はちゃんと覚えていて欲しいと思います。
外壁のカバー工法について
外壁のカバー工法
外壁のカバー工法について説明します。
悪くなった外壁の上から、新しい外壁を貼るという工法です。
これがなぜ一般的に行われている工法かというと、今の外壁を剥がす費用がかからないので、安く抑えられるからです。
そのためにこのカバー工法というものが良く見かけられます。
けれども、このカバー工法にはいろいろと欠点があります。
外壁カバー工法の欠点
まず、地震に弱くなります。
今の外壁の上に、また外壁を貼るわけですから、家の重量が重くなります。
ということは地震対策としてはあまりいいやり方ではありません。
そのために、軽い外壁材の金属サイディングなどが使われることが多いようです。
次に、下地の不具合を放置されるということです。
元々の外壁が凸凹しているのに、その上から新しい外壁を貼っても治りません。
元々の外壁のときは分からなかったんだけれども、新しい外壁を上から貼ったら、なにか歪んでいるように見えるということがあるのはそのためです。
元々が悪ければしょうがないですよね。
そのためにはやはり下地から治さなければなりません。
実は、このカバー工法の一番の問題点は内部結露です。
元々の外壁が傷んでいるのは、壁の断熱性能や施工が悪いことが原因になっていることがあるからです。
壁の中に湿気がたまっている状態のまま放置して、また上から外壁を貼ってしまうということは、悪いものを治さずに化粧してきれいにするだけということになります。
壁の中に湿気がたまるとどうなるかというと、木が腐ったり、断熱材にカビがはえてきます。
これは、家にも、住む人の健康対策にも非常によろしくありません。
ですので、1回外壁を剥がして確認することが一番大事になると思います。
このカバー工法は、早くて安いというのが特徴です。
ただし、家の老朽化は止まりません。
内部結露が起きていなくて、木も腐っていないということをしっかりと確認してから、外壁工事をしていただきたいと思います。
外壁のメンテナンス
結論から言いますと、状況によって対処方法が変わります。
今の家の外壁の状態によってどんな工事をするかが変わるということです。
また、その工事によってコストも変わりますので、今の家の状態をしっかりと確認していただきたいと思います。
チョーキング現象
一番症状が軽いものでチョーキング現象というものがあります。
外壁を手で触ると、白い粉が手についてくるような現象です。
これは、下地が痛んでいるというよりは塗料が劣化して傷んでいます。
ですので、早めに塗装工事を行うべきだと思います。
ただ上から塗装すればいいわけではなくて、またこの現象が起きないようにしなくてはいけませんので、下地をしっかりと固めて、その上に新たに塗装をすることになります。
コーキング切れ
また、よく見かけるのがコーキングの割れですね。
外壁自体は長くもつものもありますが、コーキングは5~10年で劣化してしまいますので、コーキングの打ち直しが必要になります。
ただ、コーキングを治す場合も足場を架けなければなりません。
この足場にも費用が掛かりますので、どうせ治すのであれば、コーキングだけでなく、雨樋や破風、軒裏など屋根の部分の塗装も一緒に工事することを考えたほうがいいと思います。
外壁の苔
あと、外壁に苔が生えているなんてことがありますね。
これもよく相談がきます。
この苔なんですが、専用の洗剤でしっかりとブラッシングをかければ落ちます。
落ちるんですけど、また同じようなことになることが多いです。
原因は、その家が建っている環境の問題と、外壁自体に湿気を帯びてしまって苔が生えやすくなっているということがあります。
これは、住み方の問題もありますが、家を建てた際に、外壁の裏側に通気胴縁を打って風を通すような施工になっているかどうかです。
しっかりと風が流れないために、壁の中に湿気がたまってしまい、その湿気を外壁の裏側から吸って、外壁自体に湿気を帯びて苔が生えてくるということです。
ただきれいにするだけであれば洗剤で十分だと思いますが、原因を究明してこの症状を治すことが必要です。
外壁や家の中で湿気を帯びることを壁内結露または内部結露と呼ばれており、木が腐る原因にもなりますので、きちんと治す場合は、外壁を剥いで胴縁を打ち直してから外壁を治すということが必要だと思います。
外壁の凍結膨張
外壁の中にある水分が凍結膨張して、外壁が痛んでしまっているというケースもよく見かけます。
よくあるのが、水回り関係の湿気がありそうなところの外壁はこういう症状が起きやすくなっています。
これはもう塗装しても数年ももちませんので、外壁を剥いで、下地から治すことが大事です。
当然、通気胴縁の打ち直しも大事ですが、中の断熱材が湿気で縮んだりカビが生えたりしていることもあります。
ですので、外壁を剥いで、断熱材の取り替えまで必要かどうかを確認してください。
きちんと処理をしないとまた同じことになります。
しっかりと確認して、必要であれば断熱材を取り替えたり、外壁を張り替えたりすることを考えた方が、家だけでなく住む人の健康にも一番いいと思います。
このような状況のかたはぜひ戸建てフルリノベーションについて知って頂ければと思います。
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▼性能向上リノベ デザインアワード2022 特別賞受賞
▼株式会社建築知識様(エクスナレッジ様)の新建ハウジングにも20~30回以上掲載頂いています。
▼中立な立場で住宅診断を行うホームインスペクターである有名な市村崇様の著書にも新潟県で唯一選考頂きました。
▼戸建て性能向上フルリノベーションの流れ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ 工事前準備について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ① 解体工事から木工事へ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ② 木工事に入る前の調整について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ③ 木工事の床や壁下地と床断熱について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ④ 木工事と壁断熱吹付について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑤ 木工事と外負荷断熱施工について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑥ 木工事の床仕上げと外壁漆喰塗り
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑦ 木工事完了と外壁仕上げについて
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑧ 内部仕上工事~完成へ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑨ 完成とビフォーアフター