リノベーション工事の流れを追う
毎度お世話様です
前回は仕上げ工事をまとめてお伝えしていたと思います。
今回は、めでたく工事が完了致しまして、もともとのお家と新しいお家を、ビフォーアフターで伝えて行き、結論リノベーションでどこまで変わったかをお伝えしていこうと思います。
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ 工事前準備について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ① 解体工事から木工事へ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ② 木工事に入る前の調整について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ③ 木工事の床や壁下地と床断熱について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ④ 木工事と壁断熱吹付について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑤ 木工事と外負荷断熱施工について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑥ 木工事の床仕上げと外壁漆喰塗り
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑦ 木工事完了と外壁仕上げについて
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑧ 内部仕上工事~完成へ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑨ 完成とビフォーアフター←いまここ
お家の外観
いっせいにご紹介していきます!!
Before
もともとの外観は昔ながらの雰囲気。
外壁は窯業系サイディングが貼ってありました。
また、冬囲いなどで継ぎ足して大事にされていたのがわかります。
After
新しい外観は白いアクリル漆喰で仕上がり、遠くから見てもシンプルで和モダンな雰囲気に仕上がっています。
外壁の漆喰仕上げは他をみても同じようなお家が少ないのも魅力の一つです。
表面には撥水コートが塗装しており、水で洗えばすぐに綺麗になります。
玄関
Before
コンパクトなぶん壁に手をついたりすることができますが、段差が大きく、また、
腰を掛けるスペースがないため、使いやすい玄関とは言えません。
After
新しい玄関はスペースを広めにとることで、ゆったりとした空間に仕上げました。
また、来客と自分たちのスペースを分けることですっきりとしたイメージになります。
さらに、造りつけのオリジナル玄関収納は、収納の他にも腰を掛けて靴が履けるように、
お客様に実際に腰掛けて頂き、高さを調整しています。
居間、食事室、台所(LDK)
Before
もともとは、居間と食事室、台所に分かれておりました。
広いお家の中で、常に人が集まるくつろげる場所だったのがこの部屋です。
他にも使ってない座敷がいくつもあり、とてももったいないスペースになっていました。
台所はものが綺麗にまとめてありましたが、収納する場所がない分、どうしても目に見えるところにものがでてくるため少し散らばった印象になってしまいます。
After
あたらしいLDKは間取りを繋げ、広々としたスペースにすることで、使われていなかった座敷も活用しました。
内装は白を基調にシンプルで綺麗な印象になるようにトータルコーディネートし、更に白の内装と無垢材がとても良くマッチします。
そして、奥の座敷はもともとの座敷をそのまま残し、元の面影を残しました。
床材は赤松をふんだんに使用しあたたかい雰囲気にまとまっています。
間取りはあえて大きく変えずに、もともとのお家を基準して使いやすくしながらも、
空間を大きくとり、エアコン一台で全部屋が十分に温まるようにしています。
LDKのエアコンを23℃に設定することで、家中が23~26℃に保たれています。
床の赤松は熱を蓄熱するため、床の表面温度はエアコンの設定温度まであがり、まるで床暖房しているかのようになります。
キッチンには専用のパントリーを設け、荷物の高さに合わせて上下できる可動棚を設置しました。
また、外からは収納がみえないのですっきりとした印象のキッチンになりました。
脱衣場とお風呂
Before
上は脱衣場、下は浴室の写真となります。
もともとの脱衣場は一畳しかなく、洗面化粧台で場所をとられていました。
必然的に洗濯機は廊下に。
居間からは廊下を挟むため、冬はやはり寒く足が冷たい環境でした。
After
キッチンの脇に脱衣場を設けることで家事動線を短くして毎日の家事の負担にならないように工夫しています。
脱衣場にもエアコンの空気を回すことで、洗濯物を内干ししても十分に乾き、さらに今までのようにお風呂が寒いなんてことにはなりません。
また、一畳だった脱衣所は、約5帖に広げることで、ゆったりとした空間になります。
洗面化粧台はオリジナルで造ることでまたとないデザインです。
化粧台の下は引き出しになっており、収納量も確保しています。
奥には作業台を設け天井から物干しを吊るすことで、家事がこの部屋で完結します。
浴室は、洗い場がひろいタイプのユニットバスを採用し、ご年配の方のために動線上に手すりを設け、安心してくつろげるようにしています。
TOTOのユニットバスの床材はクッション性があり少しフカフカとした材質で、冷たくなりずらい材質で仕上げており、さらに浴室全体も断熱仕様のため、浴室を使用しないときは扉を開けておくことで、LDKのエアコンで浴室まで温まります。
白にグレーのアクセントを設けることで綺麗にまとまりました。
和室(座敷)
Before
もともとの10帖の座敷がふたつ繋がり、その各座敷から2つある6帖の和室に繋がり、反対にある縁側でもつながっていました。
少し昔の時代、冠婚葬祭などの催し事があると、そのお家にたくさんの人があつまったものでした。
ただ、時代とともにそういった風習がなくなったため、和室自体がないお家も多いです。
ただ、写真の座敷については、やはり壊すにはもったいない。
そこで、この部屋はそのまま残し、内装を綺麗に仕上げました。
After
構造躯体はそのままに、綺麗に仕上げることで、もともとのお家の面影を残す部屋となりました。
障子や襖は張り直し、天井は板材を張替え、畳はいぐさの和田畳を使うことで綺麗にまとめました。
畳に慣れているご年配がいらっしゃるご家庭は、畳スペースを設けるといままで通りの使い方ができるため、安心されるかたも多いですね。
お手洗い
Before
もともとご年配の方でも使いやすいように手すりを設けたりと、綺麗にまとまっていました。
ただ、外が吹き囲いで囲まれており、明かりがあまり入らない空間でした。
After
あたらしいトイレは外から光が入り、明るく清潔感のある空間です。
手作りの収納を設けて、来客の対応もバッチリ。
また、収納カウンターが手すり変わりになり、ご年配でも安心して使えます。
床板は桧で節のない床材を使うことで、高級感のあるスペースになりました。
入口には、専用の手洗いがあり、収納兼洗面となりました。
信楽焼の陶器は青い花柄の模様があしらっており遊び心があります。
寝室
Before
寝室は昔ながらのつくりになっており、少し暗い印象でもともとは物置のようにつかわれていました。
一畳の物置ではどうしても収納量がすくなく、タンスなどを置いてまとめていました。
After
新しい寝室は明るく使い勝手の良い空間に。
無垢材をふんだんに使い、木の香りと温かみでゆったり休むことができます。
ウィークインクローゼットには多めに可動棚を取り付け、また、衣類の掛けれるようにハンガーパイプを写真の裏手と棚の下に細工しています。
もともと使われていなかったスペースを有効に使うことで、収納量を大きくとれたため、タンスなどを置く必要がなく雰囲気を壊しません。
当然LDKのエアコンでお家の端にある寝室まで温まります。
夏にエアコンから出す冷たい空気は、温かい空気に比べて流れずらいため、夏用のエアコンを寝室には設けています。
まとめ
7月から今回のお宅のリノベーション工事について着目して掘り下げ、流れをお伝えしてきました。
まずはお写真や情報を使わせて頂いたお客様、有難うございます。
私の体験談でこんなものがありました。
ある日、向こう三軒両隣とは昔からよく聞く言葉ですが、特に繋がりが生まれるご近所さんとお施主様との関係性が工事中に悪くならないように工事前に挨拶に行きました。
少し昔の時代、やはりお家造りはお祭り事だったわけですから、現代はあまりご近所の繋がりが薄くなりつつもありますが、それでも家が建つと言うと自分の事のように喜んで頂くことが多く、工事中ご迷惑お掛けする旨を伝えると「お互い様だから気にするな」という言葉で返して頂くことが新潟では多いです。
そんな会話の中でどんな工事なのか?と必ず話が上がるわけです。
ただ、「リノベーション工事」と伝えると8割方伝わりませんでした。
お家の性能を引き上げながらも既存のお家を次の世代に渡すことができるリノベーション工事ですが、その手法自体を知らない方がまだまだたくさんいらっしゃるわけですね。
新潟では、今回の記事のお宅のような先代から大事に扱ってきている立派なお宅が多くあります。
ケースバイケースですが、リノベーションが選択肢の一つにも入らないまま、そんなお家が次の世代で取り壊して新しいお家が建っていくのは少しもったいないのかなとも考えています。
そんな方に向けて記事からリノベーションというものが少しでも伝わればと思います。
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