お家のお見積り書は確認するポイントがたくさんあります。
戸建てのフルリノベーションとなれば新築よりも読み解く事が難しいでしょう。
また、お見積書といっての各社様々な書式のタイプがあり統一されているわけではありません。気軽にお見積りだけお願いした場合はお客様からすればわかりづらい部分も多々あると思います。
今回は、お見積書のチェックポイントと書式タイプの違い、各工事の項目の費用内容をご説明していきます。
▼リノベーションの費用・断熱・耐震についてまとめた記事はこちらをクリック
▼リノベーションがコスト面で選ばれている理由についてはこちら
お問い合わせ
家づくりに関するお問い合わせ、
設計や資金計画についてのご相談は、
何でもお気軽にお寄せください。
戸建てフルリノベーションのお見積書はなんのために必要なのか?
結論はお客様のお悩みを解決して理想に近づけるといくらかかるか?を確認するのがお見積書です。
なんとなくでてきたお見積書が予算内に入るからokではないですよね。
昨今お見積書が簡単に手に入るため、この大々々前提を知らない方も多いのです。
お見積書を何通も取りまくり並べてみても、なにが良いのかわからないので家造りを進められない方が増えました。
これはお客様の傾向というよりも、お見積書の中身がわからない書式が一般的になっているのも大きな原因ですよね。お客様だけでなく業界の人間でもなにがなんだかわからないお見積書の書式が増えたとお聞きすることが多いです。
お悩みと要望をすべて伝えて優先順位を決めていき、お見積り作成後予算を調整しあうのが後から後悔しない進め方のひとつです。
お見積書へ正確に要望を反映させるための注意点
様々ありますが一番肝心な注意点は、なにで悩んでいるか?を整理することです。
間取りなのか?寒さなのか?デザインなのか?広さなのか?いくつあっても良いですが、それぞれが費用に入るものです。
つまり、これらが反映されないお見積書は作成してもあまり意味がありません。
ただ、これらは簡単な事ではありません。
そのために打ち合わせをかさねる必要があります。
当社では思いついたときにご要望をお聞かせいただけるように、LINEでグループチャットをつくり、その中に各々の要望を思いついたときに書き出して頂いています。
戸建てフルリノベーションの相見積もりについてと注意点
相見積もりから各社比較
なぜ必要でしょうか?予算内である事の確認は大前提として、自分たちがやりたい事の費用相場を理解する事がもっとも重要なことだと思います。
つまり、お悩み事や要望がどのように金額に反映されるかを平均的に知る事ができるため、予算の調整ができます。
結論なにを残して、なにをあきらめるのか、を明確にできます。
さらに、各会社によりコスト面で得意な分野があるのは想像できると思います。
なにせ住宅は何十種類以上の製品や規格の材料が使用されます。
この各会社の得意なところを見つけ、それが予算調整の際に残すものであれば、これはお得なわけです。この比較が大事です。
そのため、相見積もりは2~3社程度で良いかと思います。
特にフルリノベーションのお見積りは、お見積り製作までにお客様の手間がかかります。
そのため、時間的にも実用的ななところでも2~3社がまともに比較できる限界かもしれません。
相見積もりした見積書を別会社にみせても、当然それを基準にしてより良い話をしますのであまりあてになりません。さらに、誤って社外秘の情報を漏らすことにもなりかねませんし、なによりお客様の情報が載っておりますので、取り扱いには十分に気を付けてください。
本筋の目当ての会社を2つに絞り、お互いに別会社の見積もりを持っていき、価格交渉をしようとするお客様はよく見かけます。
ですが、基本的にはお見積り書を別会社にみせることは厳禁です。
web上に載せる事も予め各会社に確認するべきです。
金額を頭に入れていき、別会社とご相談するのが安全かと思います。
相見積もりの注意点
相見積もりをする場合、同じ間取りと予算上限を決めて見積をとりましょう。
ただただ要望を伝えても当然受け取る側の違いで金額が変わります。
間取りと予算上限をしっかり伝えることが重要です。
例えば同じ2000万の予算でも、断熱性能が違ったり、住設備器具のグレードが高かったり、内装材の質がよかったり、外装材のメンテナンス性が良かったりするわけです。
ですが、これらの中身がわからない見積書は論外ですね。
また、すべてが同じ条件でお見積りをとっても意味がありません。
なぜなら、それぞれが得意な製品があるということです。
Aという製品の仕入れが安い会社はBという製品も仕入れが安いわけではありません。
同様にCという製品の中にあるαタイプの仕入れが他より安くても、βタイプの仕入れが安いわけでは一概にないということがポイントです。
戸建てフルリノベーションの見積もりの取り方
そもそも、戸建てフルリノベーションの見積もりはどうやってとるかわかりますか?
結論はフルリノベーションのできる会社を探して、その会社に沿った流れに乗り作成することになります。また、新築とは流れが変わる場合が多いです。
フルリノベーションの見積書の取り方の流れ
大体以下の通りですので当社の場合にてご説明していきます。
⓵簡易的なお見積り(簡易書面や口頭)
- ショールームへのご来館
- 勉強会への参加
- 現地調査依頼
上記のいづれかからご連絡頂きまして、当社では現在お住まいのお家の既存図面(平面図)があれば簡易的な概算のお見積りをお伝えすることができます。
まだ、色々と悩んでいるかたで、まだ決め切れていない場合などでも是非ご連絡頂ければ参考にお伝えさせて頂きます。
また、この段階でお客様がご用意するものは、この既存図面ぐらいです。
特に必要な物などはございませんが、ご家族内でお家のお悩みを整理しておくと、それぞれの意見が食い違う事がありませんのでスムーズかと思います。
⓶書面のお見積書
新築のお見積書と違い、予めプラン化された図面では戸建てフルリノベーションはできません。
ここが戸建てフルリノベーションと新築との違いです。
お客様の手元に図面などが無い状況を想定してご説明してきます。
- お問合せフォームからお見積り依頼と状況をお聞かせください。
【お電話・メールから当社ご来館】 - こちらからご連絡させて頂き、場合によりご質問させて頂きます。
- 現地調査によりその場で簡易平面図を作成します。【お客様のお家】
- 簡易平面図を基にその場で現状の確認とご要望をお聞かせください。
その場でお悩みやトラブルについて再度具体的にお話しましょう。【お客様のお家】 - お打ち合わせをして納得のいく間取りを完成させましょう。【当社ご来館】
- 間取りとご予算に応じてお見積書を作成しその内容をご説明します。【当社ご来館】
このような流れです。
3.に関しまして、予め今お住まいの既存図面がある場合には、これを基に実際のお家と比較して正しい図面かどうかを確認して進めます。
20年以上前の図面では、現地のお家と状況が合わない場合も多いですので大事なポイントです。
フルリノベーションの見積書を取るときに必要なもの
- 【最重要】お家とお悩みの部分についてのお写真
- 家族間の話し合い(なにをしたいか最優先事項3つにまとめると楽ですよ!それ以外の重要な事は打ち合わせで拾っていきます。)
- 既存図面(なくても大丈夫です!)
- メールアドレス(お電話での勧誘が心配な方はメールをオススメします!)
- お打ち合わせ、現地調査ができるスケジュール予定日
- ご来館・現地調査まで進むイメージの方はご住所とお名前を教えて頂ければスムーズです。
特にお家の各部屋に対しての簡単なお写真があると、どこまで必要か?が予算的にイメージできますので、現地調査をしなくてもより正確な簡易見積ができます。
*お家を片づける必要ありません!
*写真は部屋全体がうつるように部屋の角を対角線上に移すのがポイントです!一つの部屋で2枚写真が必要です!
フルリノベーションのお見積書のタイプ
⓵いわゆる概算見積書 一枚タイプのお見積書
住宅メーカー様や大手住宅会社様でよく使われているであろうお見積書です。
規格型や基本プランが決まっているお家のお見積書ですね。
本体工事○○万円+付帯工事○○万円+その他費用○○万円という風に大まかにわかれていることが多いですね。
そこに、標準プランからの+差額をオプションという形で表記している事が多いです。
お客様視点ですと、とても見やすいですね。
その反面、工事内容が本体工事一式という形で含まれていますのでそれぞれの工事いくらか?なにを使うのか?がわからないという見方もあります。
⓶各項目を拾い出したタイプのお見積書
注文住宅や戸建てフルリノベーションのお見積書に多いタイプです。
本体工事についても、各種工事の金額まで詳細になっている事が多いので、実際にどのような材料がどれくらいつかわれているかハッキリわかりますので、予算の調整もしやすいですね。
材料ごとの金額が明記されていますので、相見積もりを取る場合は比較検討しやすいお見積書です。
さらに、予め金額と数量と材料名が明記されますので、契約後に仕様変更による金額の上下が少ないです。
ただし、お客様が見て内容をすべて理解することが難しい部分もあります。
材料や製品名を理解することが難しいからです。
*一枚タイプ+工事明細書のタイプ
概算見積書に全体の費用が記載され、その明細書が分けて製作されるタイプもありますね。
⓵と⓶のそれぞれ確認するところを抑えた上で譲歩がまとめられていますね。
お見積書は各社書式が違うので説明してもらう事が大事
お見積書のタイプは大まかに分けて2つですが、結論としてはどちらも見積書を制作した会社様にしっかりと内容を説明してもらうことが大事だとお伝えしたいです。
また、どちらが良い。という事は一切ありません。
概算見積書はしっかりと本体工事の中身の金額まで説明してもらい、特に何を使うか?を説明してもらい確認しましょう。
各項目を拾い出したタイプはお見積書の各項目の記載部がなにを指すのか、製品名やどういった材料かを説明してもらい確認しましょう。
会社様によってはどちらもお客様にお渡しすることもあるかと思います。
その場合は各項目を拾い出したタイプを説明してもらうのが良いかと思います。
当社で後者のお見積書を採用しているのは、説明する側も詳細まで明確にわかりますので間違いや確認する時間、ご要望による金額の上下を把握しやすいので、打ち合わせ時にその場で詳細までお話できるためです。
戸建てのフルリノベーションの本体工事費のお見積書内訳とは
お見積書の形式によっては、本体工事一式○○○万円という記載があり肝心の中身がわからない事がないでしょうか?
ここではフルリノベーションの本体工事費について当社の内訳とその内容をおおまかにお伝えしていきます。
40坪のフルリノベーションにより性能向上を目的とした工事の実際の例を記載していきますが、施工する部分、しない部分(既存を活かす部分)があるため、工事内容はお客様のお家によって大きく工事項目が変わりますのでご理解ください。
お客様が各社の金額を把握する際に、㎡単価・坪単価というものを聞きますよね?
実際に当社では坪単価を公表しておりますが各社違いますね。
そして、この坪単価に何が含まれているか?
各社違いますが、結論は本体工事費の事を指すことが多いです。
分かりやすくまとめるため、実際の当社のお見積書と差がありますが、大きく違う事はありません。
あくまでも新築工事とは違い戸建てのフルリノベーションとなります。また、各社各項目の表記名は違いもあり、さらにお家により必要な工事も違いますので、これとは違う項目ができることもあります。
工事準備費
仮設工事
- 仮設電気
- 仮設水道
- 仮設電気量
- 仮設水道料
- 足場仮設費
- 仮設トイレ設置費
- 工事看板設置費
- その他仮設物設置
工事準備費
- 各部養生費
- 材料運搬費
- ハウスクリーニング
- 産業廃棄物処理費用
共通解体工事費
解体準備工事
- 既存エコアン取外し
- 既存設備器具取り外し
- 電気・設備器具切離し
- 残存物撤去工事(捨てきれなかった物の処分)
内装解体工事
- 内装解体一式
外装解体工事
- 外装解体一式
躯体工事
基礎補強工事
- 既存基礎斫り工事
- 既存基礎補強・補修工事
- 基礎新設工事
- 防湿工事
- 浴室防湿土間コンクリート打設
床下工事(玄関などの土間部分の拡張による工事)
- 玄関拡張土間コンクリート打設
- その他床下材料費
木・下地工事
- 構造材 床下躯体材料費
- 構造材 柱・梁補強材料費
- 下地材(間柱・胴縁・貫板)
断熱・制震工事
- 床断熱工事
- 外壁断熱工事
- 外壁負荷断熱工事
- 天井断熱工事
- 制震ダンパー取付工事
内装工事
内装工事
- 1F床工事(下地~仕上材)
- 1F壁工事(下地~仕上材)
- 1F天井工事(下地~仕上材)
- 玄関・土間部分 タイル仕上工事
- 畳工事
- 2F床工事(下地~仕上材)
- 2F壁工事(下地~仕上材)
- 2F天井工事(下地~仕上材)
- 見切材・コーナー材・巾木
- 収納材料費
- 窓枠材料費
- 内装塗装工事費
木製建具工事
- 造り付木製建具制作費
- 施工費
- 襖工事
住機・備品工事
- ポスト製品費
- UB製品費
- キッチン製品費
- 洗面台製品費
- トイレ製品費
- トイレ手洗い製品費
- 給湯器
- (石油器具等)
大工工事
- 補強柱・梁施工費
- 造作大工施工費
- 金物費
外装工事
鋼製建具工事
- サッシ製品費
- サッシ廻り役物費
- 網戸製品費
- 玄関ドア製品費
- 勝手口製品費
板金工事・雨樋工事
- 土台水切り
- 中間水切り
- 外壁見切り材
- 窓廻り板金
- 雨樋施工工事
外部塗装工事
- 破風板塗装工事
- 軒裏塗装工事
- 外壁撥水コート塗装工事(漆喰)
- 外壁木部塗装工事(外壁木板がある場合)
- 屋根塗装工事(屋根を活かして既存のまま使用する場合)
外壁工事
- 外壁耐震下地工事(下地~耐震面材施工)
- 外壁施工工事
- 外壁材料費
- 外部コーキング材工費
屋根工事
- 屋根瓦葺き工事(瓦の場合)
- 屋根瓦補修工事(一部瓦補修の場合)
- 屋根板金工事(板金葺きの場合)
リノベーション電気工事
- 既存配線とりつぎ工事(既存使用するコンセントがある場合)
- 電気製品費(各部材)
- 電気配線工事費
- 換気扇工事
- 電気器具仕上工事
リノベーション設備工事
- ガス工事(ガス使用の場合)
- 給排水工事
- 設備引き込み工事(道路からの引き込みはリノベーションでは行わない場合の方が多い)
- 下水工事
- 設備器具仕上工事
- 外部配管工事
戸建てフルリノベーションの付帯工事費についてお見積書の内訳
よくお家は坪単価で価格を比較できない!という文言を見かけますよね。
それは坪単価を割り出すための【本体工事費】に、どこまでの工事金額を含めているか?各社違うためです。
そこで重要なのが【付帯工事費】です。
たとえば、この本体工事費の中に、現場で造作をして作成する家具の費用として、大工さんの人工+材料費が20万円があるとします。
ただ、通常家具工事は付帯工事に入る事が多いです。
なので、坪単価を低く明記するため、この20万円を付帯工事費にいれることもできるわけです。
なので、坪単価の中になにが含まれているか各社違うため、比較できないのです。
坪単価が同じお家でも全く違うお家ができるのもこれの延長線上にありますね。
ここでは付帯工事費について当社の内訳をお伝えしていきます。
また、敷地状況や建物の状況、お客様のご要望により大きく変わりますのであくまでもご参考程度にどうぞ
家具工事(造作家具工事)
- 造作家具施工工事
- 造作可動棚施工工事
- 家具関係塗装工事
冷暖房工事
- 新規エアコン施工工事
- 新規エアコン製品費
- 既存エアコン再取付工事
- 既存エアコン取付用製品費
カーテン工事
- 1Fカーテン工事
- 2Fカーテン工事
室内既製品工事
- 室内用既製品物干しスペース
- etc
戸建てフルリノベーションの本体・付帯工事に含まれないお見積書の内訳の例
フルリノベーションのお見積書にも本体工事また付帯工事のどちらにも含まれない費用が明記されていると思います。
当社の例でご紹介していきます。
外構工事(フルリノベーションの場合は既存を活かす場合が多いです。)
基本外構工事
- 土留め工事(境界土留め)
- 駐車場工事
- 外構仕上工事
- etc
エクステリア製品工事
- フェンス施工工事
- ウッドデッキ工事
- etc
申請・設計諸経費
- 設計費
- 電気変更申請費
- 上下水道変更申請料
お気づきだと思いますが、フルリノベーションの場合は、新築と違いこの項目でのかかる費用が少ないです。
設計料が一番金額の多い部分かと思います。各社違いますが、当社ではお打ち合わせ~図面作成まで20万~でお伝えすることが多いです。
建物の増減工事
- 建築物の増築費用
(申請が必要なので別途かかることが多いでしょう) - 建物の減築費用
戸建てフルリノベーションの見積書で実際に確認すること
お見積書と図面や提案内容を施工会社と一緒に見て確認し説明をしてもらう
お見積書は一緒に打ち合わせをして決めた図面とその他ご要望の金額を提示するものです。
ですが、全く同じ条件、全く同じ要望で見積書をつくっても会社ごとに微妙に金額が変わります。
結論は貰って終わりではなく、ちゃんと説明までしてもらいましょう。
なぜなら、A,B,C社ある中で、例えばお風呂にしてもA社は手すりを2個、B社は手すりを1個C社は標準でついてくる手すりしかついていないかもしれません。
これ例の本質はそのお客様のバリアフリーをどこまで考えるか?です。
さらにいうと、手すりはいつでもつけられるから今は予算に余裕ができるようにご提案をしようと考えているかもしれません。
つまり、会社ごとに細かい部分の配慮やご提案は変わっているということです。
その内容まで確認していくと◎かと思います。
価格の極端な上下に気を付けましょう
提示金額が極端に安い場合に考えられる事ですが、契約前は金額をできるだけ下げておきますが、実際に工事にはいってみると使う材料が最低限のものであったり、その会社のプランで最低限の製品を使用することになっていたりする事が契約後に判明し、追加融資の有無で納得いかないお家造りになるわけですね。
基本的に全く同じものを使って同じ家を建てるのに何百万も金額が変わる事は考えづらい事が多いです。
当然その会社特有の施工などは例外ですが。
このような例はとても多いですよ。
昨今のお見積書は基本の間取りベースがプラン化されたお家造りが多いので本工事の内訳が無い事が多いです。
数字のトリックというやつですね。
お見積書の有効期限は念のため確認し極端に短い日付は理由を聞きましょう
タイトルの通りですが重要です。
初歩的なことかもしれませんが、有効期限はその間に使用する製品の価格が変わる可能性がある為、1ヵ月程度で設定されています。
また、有効期限日1日~1週間を初回の見積書に記載してくるのは論外のケースが多いです。今だけの費用である、値引きの期限である、という意味合いで極端に短い設定がされることもあるようですがこれらは一概にお得というわけでもありません。
工事の内容が使用する木材の本数や材料の製品名まですべて記載されているものなら別ですが、本体工事一式数千万~という見積書では簡単にこういった値引き表記ができます。
なぜならもともとそれだけ余裕のある金額である、プランの中身をグレードダウンして詳細が表記されないように値引き表示に置き換える。等いくらでもやり方があるのですね。
これは見積書上の表記マジックといわれています。
当然そうでない場合の企業努力でなりえている事もありますが、どちらにせよ怪しいと考えてからでも良いかもしれません。
数十万の車ならまた変わってきますが、お家のお見積書は納得してから契約するのがベストです。
ウッドショックやエネルギー価格の高騰で、令和3~4年は実際に有効期限2週間程度のものが実際にお家だけではありませんがよく出回っていましたね。一概に悪いわけでもない部分もありますね。
戸建てフルリノベーションのお見積書関係のトラブル事例
住宅のお見積書を一目みて良いか悪いかの判断をできる人はいないのではないでしょうか?
お客様のお手元に見積書が届いたときに見るべきポイントはいくつもありますよね。
前述までに様々なポイントをご説明してきましたが、ここからはトラブルに発展しないようにお見積書の内容や流れに関しての注意するポイントをご説明していきます。
見積書の各材料や施工費の数量と金額間違い
当たり前かもしれませんが重要です。
例えば一枚2000円の面材を10枚使うのでは2万円ですが、100枚になると20万になりますよね。
住宅につかわれる製品は一つ一つが数千円~数万円しますので数量間違い一つで見積書の金額もかなり変わります。
なので、当社ではすべての工事種目と材料の数量、手間費の明記を徹底しております。
(一部は一式として記載します。)
これは製作者側に対しても間違いがないようにするためです。
さらに、お客様にも全て明示することでさらに安全性を高めております。
通常このようにお見積書には工事明細書がついてくることが多いです。
ですが、これが手元に無い場合などは、ぜひ書類がないか施工店様にご確認しても良いと思います。
*プラン型の住宅では、もともと金額が決まっている事が多いですので、工事明細書が無い場合も当然にあります。
お見積書の最終変更日を確認する
おそらくフルリノベーションをするにあたり、初回打ち合わせ~お家完成まで一切プランが変わらない事はほとんどないかと思います。
なので、最終変更日がしっかりと反映されているのを確認してから要望や打ち合わせ内容が、追加工事や変更工事としてまとめられているのを確認しましょう。
各関係者が共通して最終変更日を確認し発行することで間違いがおきません。
また、話が食い違うこともすくないでしょう。
契約時に概算見積書しかない
前述にもありますが、A3のシート一枚でててくるいわゆる概算見積書だけで契約することはオススメできません。
⓵いわゆる概算見積書 一枚タイプのお見積書
住宅メーカー様や大手住宅会社様でよく使われているであろうお見積書です。
規格型や基本プランが決まっているお家のお見積書ですね。本体工事○○万円+付帯工事○○万円+その他費用○○万円という風に大まかにわかれていることが多いですね。
そこに、標準プランからの+差額をオプションという形で表記している事が多いです。お客様視点ですと、とても見やすいですね。
その反面、工事内容が本体工事一式という形で含まれていますのでそれぞれの工事いくらか?なにを使うのか?がわからないという見方もあります。
オススメできない理由は、間取りや標準プランは決まっていても、これでは実際に使用される製品や種類や数量がわかりません。
このシステムの怖い所ですが、「お見積書です」と伝えられれば、お客様の立場ですと、概算見積書でも正式な見積書と勘違いしてしまいますよね。
これは実際あいまいな状態です。
この状態で契約してしまうと、その後の変更があった場合、お客様視点だと差額の根拠がわかりませんよね。
例えば床材を変更した場合、今まで使用する予定の床材の金額がわからなければ、新しく選んだ床材との差額がわかりません。
トラブルの元ですので根拠が示されているお見積書が無い場合は契約するのを一度待っても良いかもしれませんね。
TVや雑誌の広告と見積書の金額が大幅に違う
これは誰が悪いというものではないですのでお気を付けください。
住宅会社もひとつの民間企業ですので、広告での表示には目に引く数字を使用します。
1000万以下でお家に住める!など、本体工事の費用のみでその他の給排水引き込み工事や電気引き込み工事、付帯工事、外構工事が含まれない事も中にはありますのでお気をつけください。
契約前の段階ではお見積書のオプション工事に気を付ける
契約前のお見積書は最低限の金額をつくり提示する流れも多いです。
ですが、おそらく必要(状況やその人によっては絶対必要)である工事をオプション工事として見て、契約前の見積書に含めない場合もありますので注意して確認しましょう。
具体的には、ご要望とやりたい事をしっかりと伝え、これでお家に住める状況か?と確認するのも一つかと思います。
敷地への給排水の引き込みや電気の引き込み等の絶対に行わないと、水や電気が使えないお家に住めない状況になる内容の項目もあります。
悪質な場合こういった工事がオプションとしてみてあることもありますので注意しましょう。
よくある話ですが、ショールームに足を運び床材がとても気に入ったとしますよね。
ですが、出てきた概算の見積書に本体工事一式○○○万と記載されていたときに、どう思うでしょうか?ショールームを見ている事を先方は知っているから、当然見積書に含まれていると考える方も多いです。
ですが、実際は洗面脱衣所やトイレ等の水廻りに使うCFシート(ビニールクロス材)をお家全部に使う事になっている、という状況を聞いたことがあります。
これに契約後に気付いてショールームと同じ床材にするとオプション料がかかる、等というトラブルがとてもよく見かけます。
この事例の落とし穴は、工事明細書を渡されていた、ということです。
つまり、お家全体にCFシートを使う事が明記されていたのです。
ですが、CFシートと見てどのような物かイメージできないですよね?これが怖いんですね。
工事明細書をしっかりと確認する事も大事ですが、その前に伝えた要望を反映しているか、実際にお家に住めるようになる費用がこれですべてか?というのは大前提確認するべきでしょう。
お金がいくらでもある人はこの世にいません。
なので、お家造りも予算のラインを引いて進めます。
そこを簡単に飛び越えることは誰であろうと難しいと思いますのでぜひ契約前に確認しましょう。
一式金額での統合された費用
一概に良い悪いではありません。
ただ、注文住宅やリノベーション工事において建築工事一式、付帯工事一式、外構工事一式などの規模の大きい金額が一式になっている場合は契約を進める前に、要望がすべて含まれているかを確認しましょう。
中身がわかりませんので比較検討もできませんし、参考にできません。
また、例えば内訳金額において内装工事一式、外壁工事一式等もできれば注意したいですね。
なにをどれくらい使うかわかりませんよね。
施工店側は㎡数や坪数で計算して+予備費をがっくるめに出したのか?と思ってしまいますね。実際にそうなのではないかと思います。
ただ、例えば壁に室内壁用タイルを0.8㎡しか貼らないような場合は一式になっていたとしても一般的だと思いますね。
一つの考え方としては、㎡単価、坪単価、というように1㎡にも満たないような施工であったり、金額としても数千円や1万円~5万円の工事内容である場合は一式金額を明記することもありますね。
当然、見積もりを急いでいた場合で一般的な作成時間の無い場合や、あらかじめ概算費用の旨を説明され提示された見積書では関係ありませんのでご確認ください。
戸建てフルリノベーションはお見積書の添削と説明を受ける事が大事
お家造り全般に共通しますが、お見積書には注意するポイント、トラブルにつながるポイント、相見積もりについて等様々の知識が必要です。
ここでは最低限の確認したい部分をお伝えしてきました。
当社ではお見積書でのトラブルが無いように、工事明細書をひとつひとつの材料の数量や製品名、施工費用など明記しています。
また、それを時間をかけてご説明させて頂き実際にどのようなものが施工されるか等お客様に伝えております。
これを契約前に行いますので、後からの追加金額が膨らむことが少ないです。
ぜひ新潟市での戸建てリノベーションを検討しているのならお声がけください。
▼自然派ライフ住宅設計のフルリノベーションについて情報とお問合せ先
▼当社ショールーム
▼性能向上リノベ デザインアワード2022 特別賞受賞
▼株式会社建築知識様(エクスナレッジ様)の新建ハウジングにも20~30回以上掲載頂いています。
▼中立な立場で住宅診断を行うホームインスペクターである有名な市村崇様の著書にも新潟県で唯一選考頂きました。
▼自然派ライフ住宅設計は住まいのセカンドオピニオンとしても活動してます。
▼戸建て性能向上リノベーションの流れ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ 工事前準備について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ① 解体工事から木工事へ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ② 木工事に入る前の調整について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ③ 木工事の床や壁下地と床断熱について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ④ 木工事と壁断熱吹付について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑤ 木工事と外負荷断熱施工について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑥ 木工事の床仕上げと外壁漆喰塗り
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑦ 木工事完了と外壁仕上げについて
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑧ 内部仕上工事~完成へ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑨ 完成とビフォーアフター
▼【最大200万以上?!2023年度リフォーム支援強化補助金について】