家づくりにかかる費用の内訳として、大きく分けると本体工事費と付帯工事費、諸経費の3つに分けられます。
この3つを合計した費用が、家づくりにかかる総費用ということです。
それぞれどんなものが該当するのかご説明します。
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「本体工事費」は建物本体にかかる費用のこと
本体工事費とは、その名の通り建物本体にかかる費用のことで、基礎工事、家の骨組み、内外装、屋根、設備などが該当します。
庭や駐車場、アプローチなどの外構費用は含まれていません。
本体工事費は総工事費用の7~8割ほどが一般的ですが、材料や仕様など施主の要望によって費用にバラつきがあります。
「付帯工事」とは本体以外に必要な工事
建物本体以外にかかる費用を「付帯工事費」と言います。
フェンス、駐車場、カーポート、アプローチ、庭などの外構工事や、屋外給排水工事、建て替えの際には必要な解体工事費、地盤改良などが該当します。
費用は、総費用のおおよそ、1.5〜2割くらいかかる場合が多いようですが、これもまた材料や仕様など施主の要望によってバラつきがあります。
フルリノベーションの場合は既存のフェンスや庭などの外構工事、屋外給排水管もそのまま使用することができる場合が多くあります。
「諸費用」はローン手数料や税金など工事以外にかかる費用のこと
諸費用とは、住宅ローン手数料、登記費用(手数料含む)、火災保険、不動産取得税や固定資産税、地盤調査費や建築確認申請費などが該当します。
契約時には印紙の印紙税も必要になります。
諸費用は、総費用の0.5〜1割程度が一般的です。
メンテナンス費用
住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)から「住宅維持管理履歴簿」が出ており、新築後30年間で必要になるメンテナンス費用が算出されています。
新築・フルリノベーションの際、それぞれ耐用年数の長いもの、メンテナンスコストが低いものを選択することが、メンテナンス費用を節約する方法だと言えます。
家具、カーテンなどのインテリア
リノベーションは部屋の間取りやデザイン、壁紙や床材などを作り変える工事です。しかし、それだけでは部屋づくりは終わりません。
部屋とインテリアが合っていなければ、理想とは異なる仕上がりになってしまうこともあります。
フルリノベーションをして理想の家を作るときに、最後の仕上げともいえるのがインテリア選びです。
家具やカーテンは、日々目に付くものなので、リノベーション満足度の鍵になります。
リノベーション工事の前は、既存のものを使えばいいと思っていても、内装が出来上がるにつれて、どうしても部屋の雰囲気にあったものが欲しくなるものです。
内装と同じ素材の造作造り付け家具でトータルコーディネートを完成させるなんてこともできるわけです。
心地よい暮らしのためにも、はじめからある程度の予算を見ておけば、心地よい暮らしの最後の仕上げの満足度が上がります。
築年数で変わる
築年数の経った古い家、フルリノベーションすべきか建て替えるべきか悩む方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、木造戸建住宅はしっかりメンテナンスすれば、長い期間問題なく暮らすことができます。
世界最古の木造建築物である「法隆寺」は築約1400年と言われています。
また、築100年以上の古民家も数多く現存していることから分かるように、木造住宅の寿命は決して短くはありません。
ただし築年数や経年劣化の状況によってリノベーション費用は変わるため、ライフスタイルや「今後どれくらい暮らすか」に合わせて検討する必要があります。
まずはリフォームにかかる費用の目安を知り、ご家族に合わせた適切な選択肢を選べるようにしましょう。
築10~20年のメンテナンス
1981年(S56)(新耐震基準)以降の建物であれば耐震性能もあるので、メンテナンスとしては、10~15年前後のタイミングで外装塗装と壁紙張替えが一般的です。
特に外壁屋根塗装は風雨の影響を受けやすいので、10~15年サイクルで実施すると建物の寿命を伸ばすためにも重要なリフォームと言えます。
費用としては、外壁・屋根の塗装は建物の大きさにもよりますが、100~200万円が一般的です。
クロスの張り替えは一部屋あたり5~10万円ほどですが、面積小さいと割高になりますので、張り替える時はまとめて工事をすることをおすすめします。
築30年前後のメンテナンス
築30年になると、外壁のサイディングや鋼板の屋根はそろそろ取替え時になります。
新潟市は気候区分5地域とはいえ、最低気温がマイナスになる冬も珍しくありません。
そうなるとサイディングは凍結膨張によって傷み、雨水が浸透して壁内結露の原因になったりします。
外壁・屋根材の取替え費用としては、それぞれ100~300万円ほどかかると考えておいたほうがいいでしょう。
また、築30年前後になると、キッチン・お風呂・洗面化粧台・トイレなど水回り設備が交換時期を迎えるタイミングになります。
水回り設備は、見た目の劣化だけでなく水漏れなどのリスクも高くなりますし、日々の生活に直接関わってくる箇所ですので、壊れる前に考えておく必要があるでしょう。
一般的な費用としては、システムキッチン交換100~200万円、ユニットバス交換100~200万円、洗面台交換15~30万円、トイレ交換15~30万円程度です。
築30年になると、サッシや断熱材などの性能も格段に上がっていますので、メンテナンスを機会に性能向上リノベーションを考えてみるのもいいでしょう。
築40年以上(1981年以前の建物)
戸建て住宅は、現代のライフスタイルや性能に合わせた全体的なフルリノベーションをすることが多いです。
建物の状況によっては耐震改修や基礎の補強などが必要になるケースもあります。
1950年~1981年までの旧耐震基準では、10年に一度発生すると考えられる中規模の地震動(震度5強程度)に対して、家屋が倒壊しないというもので、震度5強よりも大きくなる大規模の地震動(震度6強~7程度)は想定されていませんでした。
ですので、旧耐震基準で建てられた戸建住宅は耐震改修を含めたスケルトンリフォームをおすすめします。
耐震改修の費用は150~300万円ですが、いろいろと傷んだ部分を修繕したり、間取りの見直し、断熱性能を上げるなどの性能向上リノベーションですと1500~2500万円かかります。
長く住み心地のいい暮らしを考えると、きちんと点検して治すところは治すだけでなく、性能面でも、後でやり直しが必要などということにならないようにしたいものです。
ライフサイクルとリフォーム・リノベーション
リフォーム・リノベーションには工事のタイミングがいくつかあります。
ムダのないリフォーム・リノベーションのために、タイミングの種類ごとにまとめてみましょう。
修繕のためのリフォーム
築後何年か経つと、外壁や屋根の傷みが出てきます。
これらの修繕のためのリフォームは、家の寿命を延ばすためにも必要な工事です。
外壁の塗装は10年ごとに、水回りなどの住設の交換は20年ごとなどが一般的で、大切なメンテナンスリフォームです。
このメンテナンスリフォームのタイミングを逃してしまうと、家の劣化がすすんで施工箇所や費用もかさんでしまうことになりかねません。
家族のライフサイクルにあわせたリフォーム・リノベーション
家族の年齢や生活が変われば暮らし方も変わり、必要な間取りも変わります。
子供が大きくなったので子供部屋が必要になる、逆に子供が独立したので子供部屋が不要になる、年齢が高くなりバリアフリーにしたいなどです。
このタイミングで、暖かい家にしたい、二間をつなげて広いLDKにしたい、モノがおおくなったので収納を確保したいなど、性能や間取りの変更も伴ったリフォーム・リノベーションをする方も多いようです。
ムダのないリフォーム・リノベーションとは
無駄のない効率的なリフォーム・リノベーションをするためには、これらのタイミングを逃さないようにすることです。
その都度バラバラに工事をすると、間取りを変えたいがために修繕したばかりの箇所を壊す必要が出てきたり、屋根の補修と外壁の補修を別々にしたため足場の費用がそのたびに掛かってしまうからです。
計画的に無駄のないリフォーム・リノベーションを心がけましょう。
ランニングコスト
家の維持費の中に、光熱費に関わるランニングコストがあります。
特に冷暖房にかかるコストが占める割合が多いと言えます。
ここでは、家の断熱性能と冷暖房費の関係を見てみましょう。
このグラフは築45年の建物を断熱等級6にリノベーションした場合のシミュレーションの結果を表しています。
リノベーション前はリビング・ダイニングが8度まで下がっていますが、リノベーション後は16.4度に保たれる結果となりました。
また、右側のグラフの通り、冷暖房費もリノベーションの前後で約4割ほど削減できるのです。
このように、断熱性能と光熱費は大きく関わっていることが分かります。
断熱性能を高める方法としては、断熱材・サッシの性能、内装材の材質などが関わってきますので、性能向上リフォーム・リノベーションをする際はよく吟味しましょう。
追加費用について
フルリノベーション工事において、実際に追加費用が発生するのはどのような場合でしょう。
その多くは解体してみてはじめてわかることです。
- 床を解体したところ、土台や根太が腐っていて交換が必要になった。
- ユニットバスを解体したところ、水漏れしていたらしく土台や柱が腐って無くなっていた。
- 屋根瓦の葺き替えのために、古い瓦を撤去したところ下地の木が腐っていた。
- システムキッチンやユニットバスを解体撤去したところ、水道管が錆びて腐っていた。
- 解体してみると既存建物の図面や仕様と違っていて、予定通りの内容以上の工事が必要になった。
などが考えられます。
追加費用が発生するケースは、見積り段階で確認することが出来ない部分の想定ができているかどうかです。
フルリノベーションの実績が豊富で、様々な想定ができている工務店・業者に依頼することが、これらの追加工事の発生を抑える秘訣と言えます。
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▼性能向上リノベ デザインアワード2022 特別賞受賞
▼株式会社建築知識様(エクスナレッジ様)の新建ハウジングにも20~30回以上掲載頂いています。
▼中立な立場で住宅診断を行うホームインスペクターである有名な市村崇様の著書にも新潟県で唯一選考頂きました。
▼自然派ライフ住宅設計は住まいのセカンドオピニオンとしても活動してます。
▼戸建て性能向上フルリノベーションの流れ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ 工事前準備について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ① 解体工事から木工事へ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ② 木工事に入る前の調整について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ③ 木工事の床や壁下地と床断熱について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ④ 木工事と壁断熱吹付について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑤ 木工事と外負荷断熱施工について
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑥ 木工事の床仕上げと外壁漆喰塗り
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑦ 木工事完了と外壁仕上げについて
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑧ 内部仕上工事~完成へ
- 戸建て性能向上フルリノベーションの流れ⑨ 完成とビフォーアフター