「リノベーション物件」「リフォーム済物件」
最近売り出されている中古住宅に、「リノベーション物件」「リフォーム済物件」などの割合が増えてきています。
実は「リノベーション物件」には良いものと悪いものが存在することはご存じでしょうか。
しかし、買ってはいけない悪い物件を見極めるのは極めて難しくなります。
結論から言ってしまえば「リノベーション物件」は買ってはいけない中古住宅ということになります。
それでは詳しく注意点を解説していきます。
まずは、リノベーション物件(リフォーム物件)のメリットとデメリットを見てみましょう。
リノベーション物件のメリットとデメリット
リノベーション物件のメリット
・最新の設備
当然ですが、リノベーション物件はリフォームされていて設備にはメーカーの保証もついています。
給湯器やユニットバスなどは手付かずのままの時もあるので、注意点としてチェックも必要になります。
・新築物件と比べると安い
リノベーション費用をプラスしても新築の物件購入より費用が抑えられます。
別の話になりますが、「なぜ安いのか」「安い場合はその理由を必ず確認しましょう」告知事項ありなどの可能性もあるので注意しましょう。
・新築物件に比べると選べる物件数が増える
中古を選ぶ事によって候補物件は増えます。
伴って都心や郊外の人気エリアで物件を見つけにくい人気エリアでも物件を見つけられ可能性がアップします。
・すぐに住むことができる。
中古物件をリフォームして住む場合は工事期間が発生しすぐに住むことが出来ません。すぐに住むことが出来るのはメリットとなります。
・瑕疵担保責任保険などがつくケースがある。
物件や諸条件にもよりますが、瑕疵担保責任保険がついてくることがあります。瑕疵担保責任保険がついていると万が一が起こったとしても保険で対応できますし、保険に加入する為には第三者機関により、検査が行われていますので、比較的、安心して住むことが出来ます。また、瑕疵担保責任保険が使用できる物件は築年数が20年過ぎた木造住宅でも住宅ローン控除が使用できます。
「リノベーション物件」(リフォーム済物件)にはこれらのメリットがあります。
リノベーション物件のデメリット
・耐震性の問題
基本的には2000年以前に建てられた中古戸建て住宅は耐震面で既存不適格になっています。耐震補強工事をしているかは必ずチェックしましょう。
・劣化の状況確認がしにくい
リフォームされていて綺麗になっているので、デメリット部分がわかりづらい面があります。
例えばシミが出来ていた場合など雨漏りを疑う事が出来ますが、クロスを貼り替えられていてはそれも確認出来ませんし、結露がひどくてカビが発生していた場合なども把握して対処することができません。
・せっかく間取り変更などを行える機会なのにそれが出来ない。
ごく稀にセミオーダーで対応してくれるケースがありますが、基本的には「リノベーション物件」はリフォームが終わっています。
場合自分好みに再度リフォームすることは物理的には出来ないことはないですが、費用面で勿体ないです。
また、間取り変更によりコンセントの位置やコンセント自体がないケースも存在しますので注意が必要になります。
それでは更に深く解説していきます。
リフォームとリノベーション
そもそも今現在市場に出回っている「リノベーション物件」は実は「リノベーション物件」ではなく、リフォーム済み物件という呼び方の方が正しいでしょう。
リノベーションとリフォームの使い分けについて簡単にご説明します。
リノベーション物件をうたっている物件の中にはリノベーションではなくリフォームを行っている物件がほとんどです。簡単にその違いをご説明いたします。
リフォームとは
リフォームとは現状復旧することを言います。
クロスの張替えやフローリングの張替えやキッチンの取替などを行う場合には基本的にはリフォームという言葉を使います。
リノベーションとは
続いてリノベーションですが、リノベーションは新築時よりも性能向上を行う場合に利用します。
ですから本来は新築以上に性能向上した物件に対してリノベーション物件と呼ばなければなりません。
しかしながら、現在中古市場を占めている物件は本来リフォーム物件と呼ぶべき物件です。
間取りなどを現在人気のある間取りに近づけたものをリノベーション物件と呼んでいます。
耐震補強を初め、目に見えないところを新築以上の性能にしたものをリノベーション物件と呼ばなければなりませんが「現状は違います」ここがポイントです。
※但しリノベーションとリフォームの明確な定義は現在ありませんので、リノベーション物件と表示しても違法ではありません。
なぜ「リノベーション物件」が多くなったのか
リノベーション物件は通常不動産会社が中古住宅を買い取り、リフォームを行い売り出します。
しかし、リノベーション物件だからと言って新築よりも高い値段で売れるわけではありません。
もちろん最大限安く物件を買い取ることをしますが、仕入れる際にも諸費用(仲介手数料や登記費用)などが掛かってきますので、なかなか利益を指すのが難しいのです。
そこで最小コストで最大限の、見栄えが良くなるようにリフォームを行う事が必要になってきます。
この、見た目をきれいにした中古住宅が「リノベーション物件」とよばれるものです。
「リノベーション物件」を買ってはいけない理由
「リノベーション物件」中古住宅を買ってはいけない理由はデメリットの部分でも出てきましたが、中古住宅をリフォームしていることにより、劣化の状況確認がしにくいところにあります。
リノベーション物件は当たり前ですけどリフォーム工事が終わっています。
つまり、リフォーム前がどのような状態だったかを見ることができません。
例えば雨漏りが起こっていた場合、シミが出来ていた場合は雨漏りが起こったことがすぐにわかります。
しかしリフォーム物件は売主が言わない限りわかりません。
もちろん売主もそれなりの対策をとっていることがほとんどだと思いますが、しばらくは問題なく暮らせていても、何年後かに雨漏りが起こり発覚してもあとのまつりです。
そしてリノベーション物件と宣伝している物件でも単なるリフォーム工事で終わっている物件がシェアの大部分を占めていることを理解しましょう。
一番の問題点はこの部分です。戸建て住宅の寿命を延ばすリノベーション工事を行っている事が重要です。
一見綺麗にはリフォームを行っていますがそれにより、中古物件の場合は建物の状態を見極めることが重要なのにそれが出来ないのは致命的になります。
ですが、現在売り出しされている中古住宅はリノベーション物件が多いのも事実です。
エリアでは新築も中古もあまり出ないエリアなど、本当は避けたいけど避けてしまっては物件が買えないなどのパターンもでてくると思います。
そんな時に買ってもよいと判断できるチェックポイントをお伝えします。
① 物件のリフォーム前写真を残して工事中の写真も残っている
② 瑕疵担保保険に入っている
③ リフォームした箇所の詳細の説明ができる
④ リフォーム前の図面とリフォーム後の図面、計画図面がある(これは見極めるのは設計士レベルではないと無理ですが)
⑤ 2000年以降に建てられた建物(日本全国現在の建築基準法をクリアしている物件は基本的には2000以降に建てられたお家しかありません。2000年以前の建物の場合は耐震対策を行っているかを確認する必要があります)
⑥ 床下が確認できる
⑦フラット35リノベが使用できる・
⑧長期優良住宅化認定住宅である。
決して難しい内容ではありませんので、購入時には是非営業担当に聞いてみてください。
当てはまる物件はかなり少ないことがわかります。
まとめ
一戸建てをお探しの場合、新築と中古そして今回の中古の中の分類の一つとして「リノベーション物件」「リフォーム済み物件」があります。
中古住宅を購入する場合は少なからず築年数分の経年劣化やダメージが見られます。
そういったダメージ中にはもちろん数年後に修繕を行えば足りるものや、すぐにでも手入れをした方が良いものなどがあります。
例えば外壁にクラックが入っていた場合すぐに対処すれば何ら問題ないですが、放置してしまうとそこから雨水などが侵入し腐食・腐敗・カビなどの原因になってしまいます。
そして、これらのことに対応しようとした場合には費用がかかります。買ってよいリノベーション物件は自ずと高くなってしまいます。
折角費用をかけるならリフォームではなくリノベーションを行うこと、そして、リノベーション物件ではなく、手つかずの中古戸建てを購入して自分好みに生まれ変わらる、本当の意味でのリノベーションを推奨しています。