自分の思い通りの家を建てられる注文住宅は、夢がふくらんで、ついついあれもこれもと理想を追い求めてしまいがちです。
でも、今流行りの住宅設備や間取り、インテリアを取り入れた結果、生活してみたら「あれ?」という違和感に気づいたら、せっかくのマイホームに後悔が残ってしまうかもしれません。
そこで、注文住宅を建てた先輩たちの失敗例に学びたいと思います。
注文住宅で家を建てる際にはどんな失敗例があるのかを知って、後悔のない家を建てましょう!
失敗例① リビング
リビングは家族みんなが集まって過ごす、やすらぎの場所です。
図面を見た段階では満足していたはずが、いざ家具を搬入して生活してみると、狭く感じてしまう…というのが後悔としてよく挙がる声です。
また、隣家や道路からの視線を遮るため、日中でもカーテンを閉めていなければならないなど、思ったより日当たりが良くない、日中なのに部屋全体が暗い、という明るさに関する点も後悔として良く挙がります。
チェックポイント&アドバイス
家具の配置を考慮した上で、家族全員が集まってリラックスできるだけの広さがあるかがチェックポイントです。
広々とした快適なリビングにしたいなら、リビングだけでなく隣合ったスペースとの間を、引き戸やロールカーテン、バーチカルブラインドなどで仕切り、必要に応じて広く使うというやり方も良いと思います。
また、隣家との距離が近い場合は、高所窓などを上手く使い、目線を遮りながら太陽光を取り込むこともできます。
失敗例② コンセントと配線
コンセントは多めに付けたはずなのに、欲しい場所にない、家具の裏側になって使いにくい、という声は多く挙がります。
冷蔵庫や洗濯機など、常にコンセントを挿しておくもの以外にも、暖房器具や扇風機、掃除機といった使う季節や頻度が限られたものも計算した上でコンセント計画は立てなければなりません。
ふさいでしまうと使えなくなるので、家具の位置も考えて設置するようにしましょう。
チェックポイント&アドバイス
家づくりにおいて配線問題は、多くの人が後悔しやすいポイントだといわれています。
賃貸物件に住んでいた頃は、はじめから当たり前のように配置されていたコンセント。
コンセントの数と設置位置は、住んだ後の家具配置など、設計の段階でしっかりとイメージしておかなければ家電を使う場所に制限が出ます。
特に、テレビ・Wi-Fiルーター・エアコンなどのためのコンセントの位置は大切です。
それ以外にも日常で必ず使う家電のコンセントや配線まわりは特に重要視したいポイントです。
コンセントの数はもちろん、設置したい場所もある程度イメージしておくのが重要です。
先に家具の配置場所を決めると、コンセントの位置と数が割り出しやすくなります。
どの場所でどんな家電を使うのか、いくつコンセントがあればいいのか、あらかじめイメージしながら確認しておきましょう。
除湿器や加湿器、ロボット掃除機など、今は使っていないものが増えた時にも対応できるように考えておくことが大切です。
最近は、IH調理器やパソコンなど、家電の種類や数も増えていますので、電力のアンペア数の設定も考慮する必要があります。
失敗例③ 内装
壁紙や床の色など、選ぶときはとても楽しかったのに、いざ出来上がってみるとイメージと違う。
これは、色の面積が大きくなった際、光の当たり方によって感じる色合いが変わってしまうことから起こる現象です。
また、紙面で思い描いていたデザインと、出来上がった時のデザインとがなぜか違うということも、出来上がってから後悔につながるパターンです。
チェックポイント&アドバイス
小さなサンプルやカタログだけで色や素材のバランスを決めるのではなく、可能な限り大きいサンプルや実物を見て決めたいものです。
カーテンやブラインドなどのウィンドウトリートメントについても、家の雰囲気に大きく作用しますので、インテリアコーディネーターなどプロに相談して提案してもらうのもおすすめです。
失敗例④ 水回りの広さと場所
脱衣所と洗面所を分けて造ればよかった、脱衣所をもう少し広くすればよかった、寝室に水回りの音が響いてくる、など水回りに関する後悔も、多く挙がります。
トイレの場所に関しては、排水管の問題もあるため、そう簡単に場所を変えることは難しく、よく考えて設置する必要があります。
チェックポイント&アドバイス
家族が身支度をする時間など水回りに関して集中するタイミングや生活動線、室内物干し場を設けるのかなどは、プランを決める際によく考慮しましょう。
また、音に関するストレスは、住み始めてからもずっとつきまといますので、間取りを決める際に考慮しましょう。
失敗例⑤ 収納スペースの広さとカタチ
片付けが苦手な方にとって、収納スペースをどれだけ確保できるかは大きな問題です。
そのため、十分広く収納スペースを取ったのにもかかわらず、なぜか片付かない、うまく活用できない…。
せっかく対面キッチンにして、見せる棚の収納にして、とインテリアを楽しめるようにしても、片付いていなければ台無しになってしまいます。
収納がうまくいかないことは大きなストレスに繋がります。
チェックポイント&アドバイス
収納スペースは、ただ増やせばいいというわけではありません。
なんの目的で使うのか、どのくらいの必要なのか、どの場所にどんなかたちであれば使いやすいのか、を明確にした上で場所を決めていきましょう。
あらかじめ計算しておけば、収納に多くのスペースを取るために居住スペースが足りなかったという後悔も防ぐことができます。
また、奥行きのある収納スペースを多く作ってしまうと、手前に無駄なスペースが生じて、前後に二重収納してしまって物が取り出しにくくなる可能性があります。
収納はスペースがあればあるだけ便利という考えは逆にデメリットになる可能性が考えられます。
いつか役に立つからと、とにかくたくさんの収納スペースを確保しておきたい気持ちはありますが、後々使いにくさからデッドスペースになりやすくなる可能性があるのです。
逆に物が少ないからという理由で収納スペースを最小限にしていると、物が増えた時に後悔するかもしれないということです。
「どこに何を収納したいか」というのを明確にして、収納したい物の大きさによって棚を設置するなどが収納計画のコツです。
失敗例⑥ 部屋数
当初予定していたよりも家族の人数が増えた、部屋の数を増やしたかったけど一部屋当たりの広さが極端に狭くなって使いづらくなってしまった、などが起こりがちです。
面積の小さい部屋は暮らしてみると使い勝手が悪く、結局収納部屋としてしか使えなかったなど、たくさん造っても結局使いこなせない、という可能性があります。
チェックポイント&アドバイス
後から間仕切りを付け足したり取り除いたりして、部屋数は調整できます。
なんのために使う部屋なのか、を考えた上で間取りを考えていくことは大切ですが、ライフスタイルの変化に合わせて、間取りの自由度を高くしておくことも大切です。
また、年に一度か数年に一度のお客様のために客間を確保する必要があるのかも、良く考えましょう。
失敗例⑦ 玄関の広さと収納
玄関は靴を置くだけでなく、ベビーカーや、場合によっては自転車や車椅子など意外と多くのものを置く場所です。
部屋を広くするために玄関を狭くしてしまうと、使い勝手が悪くなってしまいます。
収納スペースもあまり確保していない場合、さらに片付かないという悪循環に陥る可能性もあります。
チェックポイント&アドバイス
玄関に保管、収納するものをあらかじめ書き出した上で、広さを考えていきましょう。
お子様がいらっしゃらない世帯の場合、そこまで広さは必要ないかもしれませんが、いずれ車椅子や介護がお必要になった時のことを考えて設計しておくと安心です。
失敗例⑧ キッチンのデザイン
最近流行りのアイランドキッチンを選んだものの、常に片付けていないと生活感が漂う上に、油ハネが気になる…など、憧れだけで選んでしまうと後悔します。
キッチン収納はある程度確保したが、分別のゴミ箱を置くスペースが無くて困ったなども
よく挙がる後悔ポイントです。
チェックポイント&アドバイス
憧れやデザイン性だけで選ぶのではなく、使い勝手も考慮した上で選ぶようにしましょう。
手の届かないような吊戸棚が必要なのか、調理器とシンクの位置関係、食洗機はどうするのかも、メインでキッチンを使う方の意見を取り入れて考えましょう。
また、キッチンはコンパクトでもパントリーを隣接させた方がきちんと片付くのではないかなど、実際の生活をシミュレーションしながらプランしましょう。
失敗例⑨ 家づくりの予算
床の材質や設備のグレードなどこだわればキリがありません。何度も建てるものでもないですし、可能な限り希望は詰め込みたいですよね。
しかし、希望を取り入れすぎてしまうと、いつの間にか予算オーバー…という悲劇が起こります。
そしてちょっとくらい大丈夫だろう…という考えが、住宅ローンの返済に苦労するという未来を招きます。
チェックポイント&アドバイス
ご家族でしっかりと話し合い、優先順位の高いものにはこだわり、それ以外の部分はこだわらないというようにメリハリをつけましょう。
いざ住み始めてから生活を圧迫してしまっては本末転倒です。
予算との兼ね合いを考えバランスをとりながら、家づくりを進めていきましょう。
住宅や土地の購入プランを考えている間に予算を大きくオーバーしてしまうことも考えられるので、購入資金にはある程度余裕を持たせることをおすすめします。
また、住み始めてからの税金面や登記費用、火災保険なども発生しますので、しっかりと把握しておきましょう。
家づくりは、考えなければならないことがたくさんあります。その中では、迷うことや決めかねることもたくさんあるでしょう。そんな時は、ご紹介してきたような失敗例を参考にしながら、
・自分たちならどうするか
・どんな選択をすれば後悔しないのか
をしっかり考えた上で判断を下すようにしましょう。
また、考えて決めなくてはいけないことがありすぎて、冷静な判断ができなくなることもあるかもしれません。そんな時も、
・どんな暮らしをしたいのか
を家族と共に考えながら、冷静に考えるようにしましょう。時間がかかるかもしれませんが、考え抜いて建てられた家は、家族にとって大きな宝物になります。
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