高齢者のお家に対しての悩みとは?!
これからお家を建てる若い人が考えることと比較してみる。
ご閲覧いただきまして有難うございます。
今回のお話ですが、6月にNPO法人「老いの工学研究所」より、65歳以上の方を対象に「高齢者の住まいの悩み」に関する調査を行ったそうです。
これがとても興味深いものでしたので、掘り下げていこうと思います。
是非最後までお付き合いください!
高齢者と若い人で考えることは違う
やはり、若いうちから何十年もあとの事を考えてお家造りするというのも難しいことです。
それは家造りだけでなく他の事柄にもあてはまるのではないでしょうか?
そもそも、「今の住まいに悩みがない」という方は全体の約7%しかいないようです。
100人に7人しか「問題ない」と答えているかたがいません。
残りの9割超の皆様はどのような悩みがあるのでしょうか?
ランキング形式でみていきましょう!
【住まいの悩み(65歳以上)】
- 防犯面が心配 32.2%
- 温度管理が難しい(暑い、寒い) 31.5%
- 広すぎる(部屋数や庭について) 24.9%
- 防災面が心配(地震、大雨) 22.7%
- 家の中の段差や階段が危ない 22.7%
- 利便施設が遠い 16.6%
- 体調急変などの際の孤立が心配 15.1%
- 周辺の坂道などが散歩に適さない 9.5%
- ちょっとした手助けがもらえない 9.3%
というような結果のようです。
男女別で多少の前後あるようですが、ここでは割愛します。
次に比較的に若い人の家造りについての悩みをランキング形式で記載していきます。
【住む前の住まい造りの悩み】
- 価格 64.5%
- 間取り 57.3%
- デザイン 36.8%
- 構造 35.8%
- 設備(住設備器具) 33.4%
- 性能 31.2%
というような結果です。
つまり、家を建てる前はこのような事に皆さん悩まれています。
当然ですが価格で皆さん悩まれていますね。
では次に、前述のように悩まれていた方が住んだ後にどのような悩みがあるか記載していきます。
【住んだ後の悩み・不満点】
- 暑い 27%
- 寒い 23%
- 結露 15%
- 虫・害虫 8.8%
- 風通し 6.6%
- 空調が効きにくい 5.6%
- その他(カビ、湿気等)
というような結果でした。
ここまでで皆様なにか気づくことはないでしょうか?
青い文字と赤い文字で記載してきた項目を確認してみてください。
青い文字はお家の「性能」に関わる事柄です。
赤い文字はお家の「間取り・設計」に関わる事柄です。
どうでしょうか?
住む前に悩んでいた「間取り」については、建てたあとすぐにはあまり気にならないのかもしれませんが、人間年には抗えないもので、高齢になった際にやはり、間取りの部分で悩まれている方も多いようです。
高齢者の住まいの悩み一位は防犯面ということですが、今と昔の家造りの基準や良し悪しもかわりつつあります。
当然昔の間取りは今と違ってくるわけですので、そういったところでの悩みが多いようです。
段差や部屋の大きさ等もやはり最初から高齢になったときのことを考えて計画していかなければならないわけですね。
次いで「性能」についてですが、これはとても顕著に結果に表れています。
【住む前】の悩みでは、「性能」がなんと6位という結果でした。
つまり、ほとんどの人が重要視していないんですね。
ですが、どうでしょうか?
高齢者の住まいの悩みでは、2位に断熱性能について、4位に耐震性能について関わる事柄があげられ、住んだ後の悩み・不満点というアンケートでは、ランキングのほとんどが、断熱性能に関わることですよね。
別々の組織が調査して発表したアンケートでも同じように「性能」面での悩みがあげられるんですね。
たしかに、お家造りを進める中で、一番に頭によぎるのは誰しもが「価格」というところかもしれません。
ただ、「価格」だけを追っていては将来少し後悔することになるかもしれません。
そして、高齢者が悩む大きなポイントとなる「間取り」という概念は言わば建物のデザインにも直結してきます。
デザインを個性豊かなものにすることで、得られるものは数多くかるかもしれません。
ただ、実際にこのような結果がでているなかで、将来に備えて考え方を変える必要もあるのかもしれません。
かめの甲より年の功 松かさより年かさ
年長者の知恵や経験というものは貴重なものだと思います。
今回このようなアンケート結果をみて、比較的若いうちから将来を見据えた計画が必要なのだと思います。
ただ、どうしても若いうちは、これらの事柄が本当に自分に必要かわからないものです。
その人それぞれの個性を抑えた家造りが重要なわけですね。
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