【古民家移築】古材を使うための加工について

古民家移築販売サイト「結(YUI)」は、解体した古民家から取り出した柱や梁をそのまま活かした「移築」を推し進めるプロジェクトです。

しかし、古民家から採取した古材は今とは規格も何もかも違うため、そのまま今の設計に使用することはできません。

そこで今回は古民家移築の裏側、古材の加工について紹介したいと思います。

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加工前の流れ

加工の流れについて紹介する前に、”加工前の流れ”についても紹介しましょう。
実は解体と加工の間にも、多くの作業が必要となるんです。

鑑定〜採取

古民家移築にあたって候補をピックアップしたら、木材などの状態が移築に適合した物件か鑑定をします。
古民家は現代の住宅とは異なる作りをしているため、建築士だけでなく古民家鑑定士という専門資格も必要となります。

無事利用できる物件であれば、解体。その後丁寧に古材を採取し、自社の古材倉庫へ搬入します。

洗浄

搬入後、最初にやる作業は「洗浄」です。

古民家の柱や梁はむき出し状態になっており、長年囲炉裏や台所から出た煙で燻され、煤をかぶっています。
古民家の柱が真っ黒になっているのは、こういった理由からなんです。

これにより古材特有の風合いが出ているわけです。
とはいえ表面が煤だらけではのちの作業に差し支えるため、高圧洗浄機を使って表面の煤や汚れを落としていきます。

古材の割り振り・検査

洗浄後、採取した古材を物件のどの部分に使うのか割り振ります。
その後機械を使って強度等の問題が無いか検査をして、ここからようやく職人の手による加工作業に入っていきます。

加工の流れ

それでは、ここから実際の加工の流れを解説していきます。

手板を書く

加工にあたって職人がまずやるのは「手板」を書くことです。
手板とは設計図を見た職人が、施工順や使う木材を確認するために書く「自分用の施工図面」です。

図面の縦と横を「いろは」と「一二三」で書き出し、交わる部分を「ろ-二」などと呼びます。
設計図面だけでは細かい部分が確認できないので、手板を作ることでどの部分に古材が来るのかをまず確認します。

カット加工・墨出し

手板で部材の割り振りを確認したら、カット加工に入ります。
当たり前ですが、採取した古材がすべて設計図面ぴったりの長さではないので、図面に合わせて切る必要があります。

そうして長さを揃えた古材には墨出し(=加工前の下書き)をしていきます。

刻み

ここからは大工らしい、ノミを使った”刻み”に入ります。
古材を削り、柱や梁を組み合わせる凸凹を作っていく作業です。

現代ではプレカットという工場による大量加工が主流となっていますが、現代の規格から逸脱した古材は機械加工ができないため、昔ながらの職人による手刻みで加工していきます。

塗装

古材の刻みが一通り終わったら、塗装を行います。
洗浄や加工を経た古材は色が剥がれ落ちたりまばらになったりするので、見た目を整えるために色を補っていきます。

仮組み・出荷

ここまでで仕上がった古材を、図面通りに仮組みします。
人の手で仕上げるものなので、組み合わさる部分にズレがないか、綺麗に組み合うかの確認作業ですね。

ここで収まりが悪かったり上手く組み上がらない部分を刻み直して、移築する地域へ出荷し、一連の加工作業は終了となります。

古材の活用には技術ある職人の手が不可欠

今回は古材の加工手順について紹介しました。

こちらで紹介した通り、古材を使うには非常に多くの工程が必要で、なおかつ鑑定や加工には、専門家や熟練の職人が不可欠です。

その分出来上がる住まいは、いつまでも飽きることのない唯一無二のものになるでしょう。

加工した古材を使った「古民家移築の魅力」についても、ぜひまとめてご覧ください。