【古民家移築】古材を使った家づくりの事例紹介

古民家移築販売サイト「結(YUI)」は、解体した古民家から取り出した建材をそのまま活かした「移築」を推し進めるプロジェクトです。

一般社団法人 全国古民家再生協会も連携しており、新潟支部所属の自然派ライフでも移築事業に取り組んでいます。

今回は自然派ライフが携わった古民家移築の事例についてご紹介します。

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事例紹介①新潟県から北関東への移築

木造平屋建て、ロフトの付いた移築物件です。
新潟県阿賀町、築約150年の茅葺の家を解体し、柱や建具を活用した物件です。

アンティークなものにこだわりのあるお施主様で、現代にもう一度古民家を蘇らせたような住まいになりました。

外観

ドローンで空撮。1箇所屋根が高くなっている部分はロフトになっており、越屋根で窓をつけています。

広縁は、築150年の古民家にあった古建具を再利用。

玄関扉、玄関内の古建具も古民家にあったものを再利用しています。

内観

玄関は吹き抜けで、小屋組がしっかりと見えています。

古材の構造体と梁に、杉の無垢板張りの天井。

構造体だけでなく建具も多数再利用しているため、新築というより古民家リノベーションのように見えます。

移築前の古民家について:阿賀町 長谷川邸

新潟県阿賀町にある長谷川邸は、明治初期に建てられた合掌造りの古民家です。

永らく雪深い地家族を守り続けた長谷川邸には、今では入手困難な長く太い材が多数使用されていました。

家族それぞれのライフイベントによって住まい手がいなくなり、年に数度親戚が草刈りなどをして管理していましたが、やがてそれも手薄となり、阿賀町と古民家再生協会の連携により移築の運びとなりました。

ただ材木を再利用するのではなく、そこに暮らしていた人と家の思い出を一緒に受け継いでもらいたい。
その想いから、これら長谷川邸の歴史や地域のこと、ご家族の暮らし方とインタビューを「家史」という1冊の本にまとめ、移築後のお施主様へお渡ししています。

事例紹介②自然派ライフ 牡丹山モデルルーム

2022年末完成予定

築約150年の古民家の構造体を一部に使用した、自然派ライフの事務所兼モデルルームです。
規格化された建材と古民家の部材はそのままでは合わせられないため、設計に合わせて古材を刻む必要があります。

そのため古材の採取〜加工に約5ヶ月、着工〜竣工まで約半年かかり、スタートから完成まで約1年の年月を要しました。

その分、古材・自然素材を使用しながら、無垢材の持つ蓄熱性能を利用することでHEAT20G2クラスの断熱性能を実現させました。

耐震性についても構造+制振ダンパーによる耐震等級3相当の耐震性を備えています。

モデルルームに使用している外壁材や内装、断熱材などは基本的にお客様に提案している内容です。

外観

外壁は漆喰と板張りを組み合わせ、屋根は本瓦となっています。
形状と合わせって、和風モダンな仕上がりとなりました。

内観

構造体の一部に阿賀町の古民家から移築した古材を使用。
家具、建具は造作しています。

無垢の床材は厚さ30ミリと市販フローリング(12ミリ)と比べると2倍以上の厚みがあり、無垢材の性質と合わせて高い蓄熱効果があります。

吹き抜け構造は採光と空気の循環を促すため。
内壁は珪藻土塗りで、自然の調質・消臭効果があります。

和室の意匠を取り込んだ打ち合わせ室。古材を組み合わせることで新築ながらも風合いのある空間となりました。
画像は施工中ですが、天井の格子には照明が入ります。

のっぺりとした印象になりがちな無垢材の家ですが、床材の着色仕上げや造作の工夫によって、自由度の高いデザインにすることができます。

移築前の古民家について

モデルルームに使用した建材は、阿賀町日出谷の遠藤邸を解体した古材です。

築約150年、雪深い新潟でもどっしりと構え、真冬には囲炉裏の火を家族で囲むだんらんのひとときもあったといいます。

先代が亡くなってからは息子さんが家の管理をされており、時折訪れては空気の入れ替えをしたり、生まれ育った家を大切にしていました。
しかしながら約200坪もある邸宅だったため、屋根の修理だけでも莫大な修繕費がかかってしまうなど、維持するのも大変になっていました。

立派なお家だっただけに自分の代で壊してしまうことに躊躇していたところ、使われていた材料を大切に活用する「移築」ができるということで、手放す決心をされました。

家族の想いを繋ぐ「移築」という家づくり

今回は実際の移築物件の施工事例と、もとになった古民家の紹介をしました。

新築でもリノベーションでもない移築という家づくりの魅力は、新築の性能と古材の風合いを兼ね備えた家を好きな場所に建てられること。そして家族の想いが詰まった家を、想いごと受け継ぐというところにあるのではないでしょうか。

消費財ではなく、受け継ぐ・住み継ぐという本来あるべきかたちで叶えられるこの家づくりがより一般に広がってほしいと想います。