古民家移築販売サイト「結(YUI)」では、解体した古民家から取り出した古材をそのまま活かした「移築」を推し進めるプロジェクトです。
解体して廃棄するのではなく、古民家の素材をそのまま活用した移築という手法は、環境保護のほかに、古材という年数が経過した建材が持つ優れた実用性も魅力です。
本記事では、そんな古材や移築の国内外の現状などを紹介します。
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古材を使った家具やインテリアが日本でも人気に
インテリアのコーディネートを考えたとき、ナチュラル感やヴィンテージ感を持った「古材」が、日本でも注目されています。
古材が持つ強度や丈夫さは、デザインや質感だけでなく実用性も兼ね備えており、家具だけでなく壁や床、エクステリアの建材としても活用されています。
日本でムーブメントになりつつある要因として挙げられるのが、SDGsやサステナブルといった環境意識への高まりや、副次的に注目度が上がっている関連ワードでしょう。
例えば、Googleで「ヴィンテージ」と検索すると、インテリアのほかに、ファッションやアクセサリーなど複数の関連キーワードが多数ヒットします。
ヴィンテージ関連のイベントも各地で開催されており、さまざまな企業やお店が出店している様子を観察することが可能です。
古材を使った家具やインテリアは、上記のようなヴィンテージブームのなかで、冒頭でも解説したナチュラルな質感や素材そのものが持つ優れた機能への再評価が混ざりあったもの、とも言えるでしょう。
古材専門の通販サイトも
古材専門の通販市場も活況です。古民家から解体して取り出した良質な古材や、足場板(工事現場で作業する際の作業床)などを中心に、家具をバラしたものなど、さまざまな素材を好きなサイズにカットして購入できます。
アイアン金具やネジ穴加工をセット販売し、自分で組み立てる家具や、設計図を入稿すると、希望通りに加工してくれるサービスなど、種類も年々増えています。Amazonや楽天といった大手通販サイトに出店している業者もおり、幅広いニーズに対応可能です。
海外でのムーブメント – アメリカの例
古材やヴィンテージブームは日本だけに限った話ではありません。例えばアメリカでは、古民家を取り壊さず「解体」するよう定めた条例を導入する都市が急増しています。
街中にある古い建物は、重機を使って破壊するのではなく業者に依頼し、手作業で解体しなければなりません。
手作業による解体は、木材はもちろん、壁土や建具、断熱材、コンクリートなどを粉砕することがないため、経年で風合いが増した建築素材として取り出すことが可能です。騒音も少なく有害物質の飛散も防げるうえに、埋め立て処分となる廃棄物を最大で80%以上減らせるとして、多くの自治体が注目しています。
こうした背景には、やはり環境や健康への配慮、一定のスキルを持っていない人への雇用といった問題意識の高まりがあるようです。
アメリカでは過去数年の間に、ボルティモアやクリーブランド、ボイシ、サンノゼ、パロアルトといった、多様な都市が建物の解体に関する独自の条例を制定しています。
都会でも古民家に住める?古民家を「古材」として移築するプロジェクトを紹介
日本でも、古民家再生事業に着手する動きが見られます。
「一般社団法人全国古民家再生協会」では、古材や古瓦等の活用事業をはじめ、古民家の再生修復、維持管理、古民家の継承、それらに関わる職人や文化の保護・育成などを手掛けています。
なかでも、古民家を解体して別の場所に建て直す「移築」にも力を入れており、施工事例も増えています。
移築には幾つかの種類があり、100坪の家を別の場所で100坪のまま建て直すといったイメージ通りの手法のほかに、100坪の古民家の部材を使い40坪の家を建てる「減築」、古材を使っていちから設計し直す「減築新築」といった手法も。
古民家の「移築」は空き家問題や環境問題に貢献できる、個性的で価値の高い家づくりが可能な手法として注目度が高まっています。
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