新潟でリフォーム/リノベーション 古民家移築ショールームのディテール 外構編➁三和土(たたき)

牡丹山にある古民家移築ショールームについて、ディテール➁三和土(たたき)を紹介します。

古民家移築ショールームの玄関ポーチに使われています。

三和土施工中

三和土(たたき)って?

三和土は土間の材料です。

土間三和土(どまたたき)は、「土」「消石灰」「天然にがり」の三つの素材を混ぜ合わせて作る土間です。

一説によると、三つの素材が合わさった「土」三和土と書いてたたきと読みます。

まだまだ、「消石灰」が高価な物であった時代は、土とにがり(海水)などを混ぜて叩き締めた土間もあり「二和土(たたき)」とも言われていました。

歴史的には古く、古民家や武家屋敷の玄関土間や、台所土間、縁側下の犬走として使われることが多い材料ですが、セメントの無い時代、住宅の基礎、石の礎石のつなぎ材、井戸の枠、便所の溜め壷、用水路、版築土塀などに用いられていた「土」を固める工法で、日本伝統の建築意匠として今も人気があります。

かつて日本の家屋にあった土間(文字どおり土の間のこと)の表面に、仕上げ材として使われていました。

土間がなくなった現在では、土間と上がり框のあった部分、つまり玄関の床を指して使われることがあります。

「土間」というと現在では、土ではなくモルタルなどを使って「土間」をつくる家が増えていますが、本来は「床が土になっている間」を「土間」と呼びました。

つまり現在の「土間」は、かつての土の間のように使う「空間」を示す言葉として、一方の「三和土」は土間の仕上げ材から転じて、現在では「玄関の床の仕上げ材」を指すことがある、というわけです。

三和土のデザイン・意匠も様々!

表面の仕上げも鏝で押さえてツルツルとした物から表面をふき取った洗い出しのようなもの、むしろなどを引いてたたき締め模様を出したものなど豊富で、犬走には沓脱石の配置や、鉄平石などを敷き詰めたり、意匠用に玉砂利を並べ、洗い出しなど好みに応じた仕上げが出来るのも大きな特徴です。

「重吉たたき」カタログより

「重吉たたき」カタログより

室内でも、台所や玄関土間に使用されていますが、空気中の湿気を土と石灰とにがりが吸収し、冬場乾燥期には適度な湿度を放出するなどの漆喰同様の調湿機能や透水性もあり水打ちを行うと夏涼しく、冬は温度低下を防ぐなどの効果もあります。

しかし、良い部分だけではありません。コンクリートや、セメントを利用しない為に強度は低く、長年使用することにより人の良く通るところは擦り減り、表面が凸凹になるという欠点があります。

今の三和土の主流となっている「コンクリートを使って、タイルや天然石などの仕上げ材も使う」というタイプの三和土は何と言っても掃除がしやすいというメリットがあります。

掃き掃除や拭き掃除が楽にできるだけでなく、水で洗い流すこともOKなので、土足で汚れやすい玄関の土間に三和土を選ぶことはとても効率的といえます。

そして、赤土などの土を主原料とした昔ながらの三和土にも、「和風の家の雰囲気との調和が期待できる」「土による調湿作用が期待できる」「冬場も底冷えしにくく、夏はひんやりと気持ちいい」といった数々のメリットがあります。

現代風のコンクリートやタイルの三和土(土間)には高い利便性、昔ながらの三和土には風情や土ならではの快適性が期待できるということです。