離れて暮らす両親を呼び寄せる「近居」という考え方

  • 広いシューズクロークで、靴だけでなく自転車や冬の防寒着などもすっきりと収納

  • ご親戚の家から採取した古材を梁に使用した、印象的なデザインのLDK

  • 裏庭の明りが柔らかく差し込むキッチン

  • 中庭を望むリビング オリジナルのテレビボードとバックボードで配線もすっきり

  • 広い洗面脱衣室で、洗濯物干しやアイロンがけも

  • オリジナルのトイレカウンター、信楽焼の手洗い鉢、背面のアクセントクロスで落ち着いた雰囲気のトイレ

  • 将来の介護に備え、トイレ入り口を幅広の2枚引き戸に(全開口時有効開口W1029㎜)

物件情報

構造種別 木造二階建在来工法
築年数 約25年
床面積 42.32坪➡40.0坪(一階一部減築)

施主は元々関東出身の方で、現在は奥様とお子様たちのご家族で、新潟でお住まいです。

ご両親はまだまだお元気ですが、将来を見越して、ご自分が暮らしている近くに「呼び寄せる」という決断をされました。

「呼び寄せる」ことのメリットとデメリット

メリット

・健康状態を確認しやすくなる

・緊急時に駆けつけることが容易になる

・お互いに家族の顔を見やすくなるため寂しさが減る

・家族が身近にいることで頼みごとをしやすくなる

・お互いに行き来するための費用や時間が減る

デメリット

・生活パターンなどが変わる

・知らない土地で、近隣に友人や知人がなく、馴染むまでに時間がかかり、ストレスとなることがある

今回のようにご両親がお元気なうちに「呼び寄せる」ことは、メリットを活かしデメリットを最小限にとどめるために有効だと思います。

ご両親が元気であれば、自分で行動できる範囲も広がりますし、孫と遊んだり面倒をみたりすることもできます。

施主は、ご自身のお住まいの近くで中古住宅を購入し、リノベーションするということを選択しました。

「同居」ではなく、「近居」を選択することで、それぞれの生活習慣や生活リズム、価値観の違いなどからくるストレスもなく生活することができます。

フルリノベーションのための解体工事

購入した中古住宅は、築約25年で新耐震基準の建物でしたが、使いやすいように間取りを変え、耐震性能や断熱性能を高めるためにフルスケルトンのリノベーション工事となりました。

ご相談内容

施主は元々関東でお住まいでしたが、子育てのため、数年前からご家族で、奥様のご実家がある新潟に来られました。

ご両親はお二人で関東にお住まいでした。

ご相談は・・・

・今後の介護に備えて、近くに呼び寄せたい

・ペットがいるので、賃貸はむずかしい

・老後の暮らしやすさ、介護のしやすい住まい

・地盤の安定した地域

・「安い新築より高いリノベーションがなぜいいか」の具体例を知りたい

先々のことを考えると、今住みやすく、自力で生活できる家を提供して、健康で文化的な生活を実現してもらうための住まいを提案して欲しいとのことでした。

ご要望

●高齢者が住みやすい家にしたい

●介護しやすい家にしたい

●ペットの居心地のいいスペースがほしい

●耐震性能の優れた家にしたい

●先のことを考え、後々賃貸または売却の需要がありそうな条件を備えた家にしたい

●自分たちの住まいに近く、車を使わず自転車や公共の交通機関で行き来できる範囲で考えている

設計のポイント

設計の前に、ご要望の地域での中古住宅探しから始まりました。

なぜなら、希望の地域で、2001年以降の住宅(耐震性能2000基準以降)を検索しても、なかなか思うような物件がなかったからです。

それなら、条件にあった地域の中古物件を購入して、耐震性能などを考慮した高性能の住宅にリノベーションしたほうが良いといいうことになりました。

中古物件を探し始め、物件の確認にも同行させていただき、2件目で決めることができました。

二階建住宅でしたが、腰の具合が思わしくないお父様のこともあり、一階で生活が完結できるように、充実した間取りにすることになりまた。

プランニングのポイント

●キッチン・ダイニングを中心に、リビング、ご両親それぞれのプライベートルームとつなげて、一階だけで生活しやすい動線を確保。

●中庭と裏庭の樹木を選定してLDKに光を取り入れる

●建具を引戸にして開閉をスムーズにできるようにする

●トイレ、浴室を広く取り、介護に備える

●洗面脱衣室を広くして、物干しスペースを確保し、室内干しができるようにする

●室内すべての段差をなくしバリアフリー仕様にする

●発泡ポリスチレンフォームの断熱材と、EPSの付加断熱で断熱性能を向上させる

●制振ダンパーを設置し、揺れても元に戻る、耐震と制震を組み合わせる

●サッシはすべてLow-Eペアガラスの樹脂サッシに交換して結露対策と断熱対策をする

●外壁は漆喰塗りで、既存の家の面影を残したまま、美しく、なおかつメンテナンスに手間が掛からないようにする

新しい間取りのポイント

●扉を引戸にして、開け放して使用することで、家の中の温度差をなくし、ヒートショックを予防する

●シューズクロークを大きく取り、自転車やベビーカーも収納できるようにする

●キッチンを対面型にし、お孫さんが遊びにきたときに、見渡すことができ、コミュニケーションがとりやすいようにする

●杉うづくり無垢の床材を多用し、暖かさ、涼しさ、足触りを良くする

●制振ダンパーを併用することで、全体的に広々とした空間を確保する

●ご親戚の古い家から採取した古材の丸太を梁に利用して、デザイン性を高める

お客様より

離れて暮らす両親の先々を危惧していましたが、近くにいることで安心感があります。

●ご両親から

早朝散歩のあと、リビングのテーブルでコーヒーを飲んだり、庭に植えた植物の手入れをしたりしながらのんびりと暮らしています。

孫たちも、度々我が家で入浴と食事をするなど、大変ですが賑やかです。

キッチンは、もっと「こうだったらよかったかな」と思うところもありますが、流しも調理台も広くて、水栓もフットスイッチ付だったりと、本当に使いやすいです。

息子も、来るたびに「贅沢なつくりだなぁ」と言っています。

いい住まいは、気持ちまで余裕ができて、癒しを生み出します。

自然派ライフさんにお願いした息子にも感謝しながら、健康寿命をこれからも延ばしたいと思っています。

担当者より

ご家族のご要望を叶えることができて何よりです。

断熱性・耐震性ともに、国の基準以上の性能にあげることができ、安心して住んでいただくことができます。

この住まいづくりに参加させていただき、感謝しております。

これからもお付き合い、よろしくお願いします。