物件情報
構造種別 | 木造二階建て在来工法 |
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築年数 | 築94年 |
延床面積 | 62坪➡49.42坪(12.58坪減築) |
昭和初期に建てられた、築100年近い実家にお母様が一人暮らしをしていました。

解体中:昭和初期の建築を彷彿とさせる小屋組み
当時の建物なので、当然断熱性能も低く、夏暑く冬寒いという家でした。
ご相談内容
ご高齢のお母様が一人暮らしをしていました。
お母様はまだまだお元気でしたが、ご高齢ということと先のこともあるので、安全で快適な家に住まわせてあげたいと、リノベーションをして同居することをお考えでした。
家が古いこともあり、どうしたものかとお考えのところ、弊社のテレビCMをご覧になり、ご相談にいらっしゃいました。
間取りも、古くからある日本家屋で、畳の和室がつながっているものでしたので、今の暮らしに合い、同居したあと使い勝手のよいものにしたいということでした。
ご要望
●冬暖かく夏涼しい家にしたい
●間取りの使い勝手が悪いので、住みやすい間取りにしたい
●間取り的にも温熱的にもバリアフリーにしたい
●日中家にいる母の居場所を快適にしたい
●地震に強く安心して住むことができる家にしたい
●メンテナンスコストが掛からないようにしたい
設計のポイント
暑い、寒い、耐震性、間取りの不便性、快適に過ごせる居住スペースが少ないなど、今の家のお悩みをじっくりとお聞きしました。
その後、現場調査を経て、安心して快適に住むことができるような性能向上リノベーションのご提案をさせて頂きました。
もともと大きな家でしたので、使わない部分は減築して、その分、ご自身と来客のための駐車スペースなどを確保しました。
まず、構造躯体以外をスケルトン状態にして、土台や柱など傷んだものを交換し、構造計算を基に耐震パネルで耐震性能を高め、制振ダンパーを併用して地震の揺れを逃がし、揺れても元に戻るような設計にしました。
その上で、高性能の断熱材で断熱性能と気密性能を高め、新築と同等以上の快適な住み心地になるように仕上げました。
その中でも、座敷や仏間は床断熱を施すとともに壁・天井などのお化粧直しにとどめ、ご家族との思い出の家の面影を残しました。
プランニングのポイント
●お母様との同居ということで、居間を中心として、それぞれのご家族が暮らしやすい間取りにする
●吹抜を設け、明るい家にする
●思い切って門や塀を取り払い、使わない部分を減築し、複数台の駐車スペースを確保する
●発泡ポリスチレンフォームの断熱材と、EPSの付加断熱で断熱性能を向上させる
●断熱性能を高めた上で、吹抜けをつくり、なるべく建具を少なくして家中空気が流れるようにし、エアコン1台で家中冷暖房することができるようにする
●制振ダンパーを設置し、揺れても元に戻る、耐震と制震を組み合わせる
●サッシはすべてLow-Eペアガラスの樹脂サッシに交換して結露対策と断熱対策をする
●外壁は漆喰塗りで、既存の家の面影を残したまま、美しく、なおかつメンテナンスに手間が掛からないようにする
新しい間取りのポイント
●吹抜を設け、LDKを暖めると家全体が暖まるようにするとともに、採光を確保する
●エアコン1台を稼働させることで、家全体の温度差をなくし、ヒートショックを予防する
●キッチンは対面型とし、家族のコミュニケーションを図る
●お母様の部屋に隣接したトイレを設け、身体に無理なく使えるようにする
●玄関からシューズクロークを通り、直接パントリー・キッチンという家事動線を確保する
●杉うづくり無垢の床材を使用し、暖かさ、涼しさ、足触りを良くする
●制振ダンパーを併用することで、全体的に広々とした空間を確保する
お客様より
ずっと一人暮らしをしていた母が心配でしたが、ようやく同居することができて安心です。
隙間だらけで寒くて使い勝手が悪かった家が、暖かくて使いやすく、安心して住むことができる家に生まれ変わり、とても満足しています。
和室や仏間など、使えるものはそのまま使い、昔の面影を残して頂きました。
地震に強い家になり、安心して暮らすことができます。
家中暖かいので、心配で取ってあった電気カーペットや電気毛布などを処分しましたし、母も薄着で十分なようで、元気に暮らしています。
施工中も、細かい要望に応えて頂いたり、内装インテリアなどもご提案いただき、思い通りに仕上り、感謝しています。
担当者より
ご家族の思い出が残る家を残すことができてなによりです。
断熱性・耐震性ともに、国の基準以上の性能にあげることができました。
お母様との暮らしが安心して快適になる家づくりを目指しました。
施主様に喜んで頂くことができて、担当者として感謝しています。
これからもお付き合い、よろしくお願いします。