キッチンで料理中にブレーカーが落ちてしまって、不便な思いをしたことはありませんか。
消費電力や屋内配線について知って、ブレーカーが落ちないような家電製品を安全に使うポイントをお伝えします。
消費電力と電流、電圧について
アンペア(A)、電圧(V)、消費電力(W)について
計算式としては、A×V=Wとなります。
アンペア(A)
1秒間に流れる電流を表す単位がアンペアです。
電気を契約する際にアンペア数を決めるのですが、使用する電化製品の数や在宅時間、世帯人数などを考慮して、ライフスタイルに合ったアンペア数に設定することが快適に暮らす上で重要になります。
ブレーカーが落ちるのは、契約しているアンペアの容量以上の電力を、同時に電化製品などを使用して消費してしまった場合に起こります。
東北電力では一般家庭用の契約では、10A・15A・20A・30A・40A・50A・60Aがあり、それぞれ基本料金(月)が異なります。
以前は20~30Aの契約が多かったのですが、最近ではエアコン・浴室乾燥機・冷蔵庫など大型の電化製品や、在宅ワークで電子機器の仕様が増えてきていますので、多少余裕をもったアンペア数の契約をおすすめします。
契約しているアンペア数が少なすぎると、使用する電力量が契約アンペア数を超えて頻繁にブレーカーが落ちたり、多すぎると必要以上に高額な基本料金を支払続けたりすることになりますので、何か月か使用して様子をみて、アンペア数を変更することもおすすめです。
ボルト(V)
電気を押し出す圧力(電圧)の単位がボルトです。
日本の一般家庭のボルト数は100Vで統一されているので、普段の生活でボルトを意識することはあまりありませんが、最近はIH調理器具や浴室乾燥機、大型エアコンなどで200Vの電圧が必要な場合がありますので、新築・リフォーム・リノベーションの際は確認が必要です。
ちなみに、日本の100Vを基準につくられた電化製品を変圧器を使わずに海外で使用した場合、高い電圧に耐えきれずに壊れてしまう場合がありますので、海外旅行などで日本の電化製品を使用する場合は注意が必要です。
ワット(W)
消費する電力を表す単位で、アンペア(A)×ボルト(V)で求められ、ワット(W)が高いほど消費している電力量が多いということになります。
電気料金は、使用する電力の量によって決まります。
必要なワット数は電化製品に記載されていますので、購入する際に確認するといいでしょう。
一般的な電気料金は、基本料金と使用した分の電気代(従量課金)を合算した金額ですが、最近は様々な料金プランがありますので、ライフスタイルに合わせて契約しましょう。
東北電力の料金プラン
よりそう+eねっとバリュー
従量電灯Bを契約している方向けのプランで、従量電灯Bと比較して基本料金が月に55円(税込)安くなりますが、「よりそうeねっと」への加入が条件です。
よりそう+ファミリーバリュー
ひと月に400kWh以上使用する方向けのプランで、子育てファミリーや二世代・三世代など大人数の家庭や、季節や時間にかかわらず日中も多く電気を使用する方におすすめです。
よりそう+ナイト&ホリデー
共働きで夜10時以降~朝8時の間や、休日にまとめて家事などをする方向けのプランです。
よりそう+スマートタイム
エコキュートやエアコンを使用するオール電化住宅に住み、夜間や休日を中心に電気の使用量が多い方向けのプランです。
この他にもプランがありますが、実際にシミュレーションを依頼してみてプランを確定することをおすすめします。
東北電力ホームページ↓
https://www.tohoku-epco.co.jp/dprivate/plan/home/
コンセントと電力
一般的に、一つのコンセントで使用できるのは一口でも2口でも15Aまでで、電圧は100Vですから合計1500Wまでということになります。
例えば、オーブントースター(900W)とミキサー(200W)の場合は、合計1100Wですから、一つのコンセントで同時に使用が可能ということになります。
また、ブレーカーは電気容量がオーバーしたときなど、事故にならないように自動的に電気を切り、住まいの安全を守るもので、ブレーカーの分岐された一つの回路で使用できる電流は20Aです。
ですので、オーブントースター(900W)とミキサー(200W)と同時にIH炊飯器(1200W)を使用するとすると、合計2300Wとなり、同じコンセントで同時に使用できないだけでなく、ブレーカーの回路も分ける必要があるのです。
新築・リフォーム・リノベーションの際は、ライフスタイルを想像して、目的別にコンセントの位置や数、ブレーカーの回路を決めていくと良いでしょう。
ここにあったら便利な「コンセントの場所」ベスト20
では実際にここに増設したら便利だった!という場所、見逃しがちな位置をご紹介します。筆者がこれまで遭遇したケースを部位別にまとめましたので、参考にしてみてください。
1)玄関ドアの外側すぐ脇
⇒クリスマスツリーやイルミネーション用としてよかった
2)玄関カウンター上、廊下のニッチの中
⇒装飾用ランプ、リースのイルミネーションなどが置けた
3)洗面所の収納内部
⇒充電式髭剃り・電動歯ブラシ用として便利だった
4)洗面所やトイレの中の床近く
⇒冬場の小さな暖房器具用として便利だった
5)洗面所の天井近く
⇒壁付けタイプの扇風機用として
6)掃除機を入れる収納の内部
⇒充電タイプの掃除機を収納内部で充電できてよかった
7)オーディオやパソコン周辺
⇒通常の2倍の量を付けておいたので機器が増えても心配なかった
8)キッチンシンク周辺
⇒ハンドミキサー等に。水がかからずコードが作業の邪魔にならない
9)ダイニングテーブルの高さに合わせて
⇒ホットプレート、卓上電気鍋に使っている
10)ミニカウンターを作って充電場を作った
⇒デジカメ、子機、携帯電話用の専用スペースを作った
11)掃除ロボット用として
⇒掃除ロボットのホームベース用として準備した
12)寝室のベッドの枕元周辺
⇒小さなスタンド用、スマホや携帯の充電用、充電式懐中電灯用
13)寝室のベッドの足元周辺
⇒電気毛布用、布団乾燥機用、加湿器用
14)階段の踊り場
⇒掃除機のコードが届かない範囲がなくなった
15)LDの境目の床面に床出し専用のタイプを
⇒部屋の中心に置きたいフロアスタンドや電気式の暖房器具用に便利
16)リビングの間接照明用として
⇒フロアスタンド用として位置を合わせて作った
17)家の中のコンセントの位置を高くした
⇒ペットがコード類をかじらないように
⇒腰痛持ちなので掃除機のコンセントの抜き差しが楽に
18)ベランダや庭
⇒照明、電気式芝刈り機用
19)車庫の中もしくは駐車場脇
⇒車内掃除用、充電式掃除機ではパワーが足りない
⇒日曜大工で電動工具を使う時に便利
⇒電気自動車用に準備など
20)庭
⇒電動芝刈り機用に屋外用コンセントを作った
コロナ禍による「生活の変化で必要になったコンセント」ベスト5
コロナ禍をきっかけにして生活スタイルが変化し、これまで以上に必要なコンセントが増えています。従来のプランでは見逃しがちですので、あらためて確認をしておきましょう。
1)テレワーク用
⇒これまで使用頻度が低かった場所にコンセントが必要になるケース。
和室や寝室、リビング、階段の踊り場の一角など、テレワークスペースはさまざまです。
2)新型のロボット掃除機用
⇒ゴミ収集機つきの新型のロボット掃除機が使いやすいコンセント
3)ほったらかし家電などキッチン家電用
⇒ほったらかし調理家電、パン専用オーブントースターなど、調理家電の人気で、これまで以上にコンセントが必要に
4)卓上調理用
⇒おうちご飯の機会が増えてホットプレートなどの卓上調理家電が人気に。テーブル近くのコンセントが必須の時代に
5)おうちレジャー用
⇒アウトドアリビングでの灯りや屋外調理のために庭やベランダに。
リビングでホームシアターを楽しむ、ムードを盛り上げる間接照明を取り入れる際に必要なコンセントも
広いワンルームではコンセントの位置に困ることも
コンセントは、ふつう壁の下の方に取り付けるイメージがありますが、高さや取り付け位置の工夫で、もっと便利で快適な暮らしができるようになります。
コンセントや照明器具は、他にも注意しなければいけない点がいろいろありますので、建築業者とは細かく打ち合わせをすることをおすすめします。