新潟でリフォーム/リノベーション 古民家移築ショールームのディテール 外壁編➁湿式外壁材

古民家移築ショールームの外壁材に、アメリカ製の「パレックス(PAREX)」という湿式のアクリル漆喰を使用しています。

パレックス(PAREX)

塗り壁材のパレックス(PAREX)はアクリル系仕上げ・コーティング材で、外壁・内壁に使用することができます。

アクリル100%なので接着がよく、柔軟性があり、透湿性に優れているのが特徴です。

骨材にはハイクオリティな鉄分を含まない大理石を使用しているため、発色がよく、塗膜の劣化・退色を防ぎ、防錆性に優れています。

また、DPR(Dirt Pick-up Resistance: 汚れ付着防止機能) があり、耐摩耗性も高く、環境に配慮した防カビ・防藻剤含有でメンテナンスの手間を軽減します。

パレックスの特徴① 高分子バリアによる防汚性

パレックスのDPRテクノロジーは、軟化したり、ベタついたりしない特殊なアクリルポリマーの構造によって、フィルムのような高分子のバリアをつくり、「防汚性」「防カビ性」「防藻性」「耐候性」に優れた性能を発揮します。

DPRテクノロジーの性能により、表面が清潔に保たれ、カビの栄養となる汚染物質から保護されることになり、カビに対する優れた抵抗性を発揮します。

I.P.Pホームページより

パレックスの特徴➁ 大理石による防錆性・カラーの安定

パレックスの仕上げ材には大理石の骨材が使用されています。

純白で明るい大理石は色の定着と均一性を促し、冴えた色になります。

大理石を使用することにより、ケイ砂に含まれる小さな鉄鉱物が排除され、湿気や雨によってできる線を防ぎます。

また、パレックスの大理石骨材には防錆効果もあります。

大理石の骨材

パレックスの特徴➂ 高い透湿性

DPRには、優れた防水透湿性があります。

透湿性と防水性の原理は、水蒸気の分子の大きさ(0.0004μm)と雨滴や水滴の分子の大きさ(100~300μm)の差が非常に大きいことを利用して、雨滴以下の孔径を持つ多孔質構造を塗膜に形成させるのです。

これにより、外部に対しては防水性を保ちながら、塗膜及び下地からの水蒸気を透過させることができるのです。

この透湿性により、「カビの発生を抑える」「塗膜の浮き剥がれを防ぐ」「塗膜及び下地の劣化を防ぐ」という効果があります。

パレックスの特徴④ 優れた耐摩耗性

パレックスの研究室で、比較され得る他社の製品を使用して摩耗性を検証したデータがあります。

・テストの内容

硬い毛のブラシを使用して2000回以上、前後に擦り、その重量から摩耗度合いを比較する。

・テストの結果

他社製品は1600回で全体の40%が剥がれ落ちたのに対し、パレックスの製品は2000回を超えても、剥がれ落ちはわずか4.4%にとどまったという結果が出ています。

パレックスの特徴⑤ カスタムカラー対応

カラー材として使用するのは、ドイツ製の無機顔料COLORTRAND🄬888です。

水溶型塗料・溶剤型塗料どちらにも適用し、幅広く使用できるユニバーサルな着色剤で、カスタムカラーシステム用着色材として世界で最も多く使用されているものです。

厳格な製造過程により、色の混ざりがよく、またロットによる色の相違もほとんどないので、いつでも同じ色調を作りだすことができます。

パレックスのカラーサンプル

パレックスの特徴⑥ カスタムテクスチャー対応

パレックスの仕上げ材には石英ではなく、鉄分を含まない大理石の骨材が使用されています。

石英に含まれるケイ砂には小さな鉄の鉱物粒子を含んでいるものもあり、アクリル系仕上げ材に使用すると湿気や雨の影響で目に見える錆やスジの発生の原因となるからです。

大理石は、色の安定性や均一性に優れていますので、いつまでも美しい鮮やかな色彩を楽しむことができます。

パレックスの特徴⑦ コーティング剤(フィニッシュシーラー)を塗布することで高いメンテナンス性

100%アクリルのアクリル仕上げ材(フィニッシュシーラー)を塗布して仕上げます。

通常のコーティング材よりも強固で、太陽熱によりコーティング材が軟らかくなることがありませんし、粘着性がないので、汚れや汚染物質が表面に蓄積されることがありません。

また、チョーキング(白亜化)現象にも有効です。

*外壁のチョーキング現象とは、外壁の表面に塗られている顔料が粉状になって浮き出てくる現象。 紫外線や風雨にさらされる外壁は、経年劣化が進むと表面の塗料が変質するのです。

外壁のチョーキング現象

フィニッシュシーラーは、ローラーや適切なスプレーで簡単に施工することができます。

パレックスのEIFSについて

EIFSとは、Exterior Insulation and Finish Systemの頭文字の略で、日本語に訳すと、外断熱外壁仕上げ方式、または外断熱塗壁方式ということです。

PAREXのEIFSは、断熱材であるEPS断熱材を建築物の外壁面に固定し、その上から耐久性、耐熱性、耐水性に優れているスタンダードメッシュとベースコート121を塗り、最後に変色、色あせ、ひび割れに強い、DPRフィニッシュコートとクリアシーラーで仕上げるシステムです。

EIFSは、商業施設を中心に、アメリカ合衆国で広がりを見せ、1980年代から個人住宅にも多く使用されるようになりました。

90年代に入ると、アメリカの環境政策の中で大いに注目され、現在では、全米のあらゆる場所で使用されています。

日本では、1999年頃から日本全国に普及し始め、木造住宅、マンションに多く使用されるようになりました。

近年では、外断熱の有効性が注目され、米国並みの伸び率で上昇しています。

古民家移築ショールームの外壁仕上げの様子

EIFSの特徴① 優れたR値(熱還流率)

R値とは、熱の伝わりにくさを示す数値で、この値が高いほど断熱性が高いということです。

アメリカのオークリッジ国立研究所で行われた実験でもEIFSは優れたR値を示すことが証明されています。

外壁が、いかにエネルギーコストの削減に大切かを考えると、このパレックスのEIFSは効果的であると言えます。

EIFSの特徴➁ 高断熱性

EIFSを建物の外壁に使用すれば、間柱の隙間から熱が流れることがありません。

建物全体を外から包むことにより、まるで魔法瓶のような効果ががり、いったん蓄えられた熱を断熱材で包んで保温するようなものです。

EIFSの特徴➂ 結露の軽減

暖かい空気が冷たいものの表面に触れたとき結露が発生し、日常最も眼にする光景は、冷たい飲み物の入ったグラスです。

これと同じ現象が壁の内部でも起き、この現象により建物の部材はダメージを受け劣化していきます。

パレックスのEIFSはこの結露リスクを大幅に軽減します。

断熱層を建物の外側に移すことにより、内側の壁の空洞を暖かく保ち、外部に対しては、コンクリート、壁塗膜及び下地からの水蒸気(水分)を優れた透湿性により透過させることができ、結果結露の発生を大幅に軽減します。

EIFSの特徴④ ローメンテナンス

パレックス のEIFSはハイクオリティな原材料を使用しており、このこだわりが長い年月、建物を美しく保つ秘訣です。

パレックスのEIFSはまた、汚れ付着防止機能を伴うアクリルポリマー100%の製品で、EPA(米国環境保護庁)認定の防カビ・防藻剤配合で汚れ、カビ、藻の繁殖を防ぐだけでなくその他の汚染物質にも有効に働きます。

さらに低圧の洗浄機や中性洗剤で簡単にクリーニングができます。このようなシンプルなメンテナンスのみで、建物をリフレッシュさせ、EIFSの機能を長く保つことができます。

EIFSの特徴⑤ 軽量

パレックスのEIFSは、とても軽量な外壁仕上げシステムですので、躯体への負担を大幅に軽減します。

また、地震などによる外壁材の脱落事故なども発生しません。

自然派ライフ住宅設計は、この高性能な材料と施工方法を、特別なルートで入手して、他の外壁材とほとんど変わらない、適切な価格で提供しています。