内装色の基本

「内装色」とは、床・壁・天井の色のことです。

内装色の色決め

床の色決めをするとき、壁のクロスの柄をきめるときなど、内装の配色の法則を知っておくと、「広々とした開放感」「心地よく感じる部屋」「落ち着ける部屋」を演出することができます。

また、床の大半を占めるカーペットやラグ、床から天井付近までを占めるカーテンなどウィンドウトリートメントの色選びにも役立つ知識なので覚えておきましょう。

色の膨張と収縮

色には「膨張色」と「収縮色」があります。

白などの明るい色を膨張色といい、暗い色は引き締まって見えるため収縮色といいます。

色の膨張と収縮

画像の左の部屋は広く見えて、右の部屋が狭く見えるのは、色の心理的効果にその要因があります。

色の軽さと重さ

色には「軽さ」と「重さ」という概念もあります。

色の軽さと重さ

濃い色は重く見えるため、画像の右側の部屋のように天井の色を濃くすると、天井が低く見えて圧迫感を感じます。

一方、左の部屋は天井の色が薄いため、軽く見えて部屋が開放的に見えます。

天井・壁・床の明るさで受ける印象の違い

とある住宅のリビングのコーディネート例。
コンクリート打ちっ放しに木目の素材感たっぷりのソファセット、収納棚が映えた統一感のあるコーディネートです。
この部屋の天井を暗くしてみましょう。

天井を暗くすると

いかがですか?
天井を暗くすると実際よりも低く見え、圧迫感が出ましたね。

続いて、元の写真を床→壁→天井の順に明るい色にしてみましょう。

床➡壁➡天井の順に明るくすると

いかがですか?
元の写真よりも天井が高く感じませんか?

次に、壁の色を変えてみましょう

壁の色を変えると

暗くした壁方向に狭く感じませんか? これが収縮色の視覚効果です。

次は、床の色を元の写真よりも明るくした場合と暗くした場合の2パターン。

床の色を明るくすると

床の色を明るくすると随分広がりが出て開放感のあるリビングになりました。

最後に、床の色を暗くしてみましょう。

床の色を暗くすると

床の色を暗くすると落ち着いた雰囲気になりましたが、明るい床に比べると狭くて暗い印象が残ります。

内装色選びは、部屋の大きさにもよりますので、しっかりと検討しましょう。

「進出色」と「後退色」

色には「進出色」と「後退色」があります。

進出色と後退色

主に暖色系の色は進出色とよばれ、画像の左のように出っ張って見えます。

逆に右の寒色系の色は後退色とよばれて、遠くに下がって見えます。

部屋を広く見せたいときは、一番遠い壁に後退色を使うと広く見えます。

「色」「柄」による見え方

色は、柄などのモチーフによっても部屋の雰囲気を変えます。

柄による見え方

画像の左のように縦ストライプは部屋を縦長み見せて天井を高く感じさせます。

逆に右のようなボーダーは部屋を横長に見せて天井を低く見せます。

部屋の広さや天井の高さによって使い分けるのもいいでしょう。