リフォームでも新築でも、床材を決めるときは悩みますよね。
ここでは、床材の種類とその特徴についてお話ししたいと思います。
木質フローリング
木質のフローリングは、2つのタイプ、4つの種類に分類されます。
❶無垢フローリング
丸太から切り出した無垢の木を床材のカタチに製材したものです。
無垢フローリングは、木そのものが持つ温もりや香が感じられて、手触り足触りがいいという特徴があります。
また、室内の湿度を調節してくれる調湿作用があることも特徴です。
樹種(木の種類)や、切る方向によって柾目や杢目など、一枚一枚木の表情を楽しむことや、時間を経るにつれて風合いが変化しても味わい深くなる経年変化を楽しむこともできるのです。
調湿性に優れている分、収縮や膨張による反りや隙間ができてしまう性質もありますので、それらが起こらないよう事前にしっかりと乾燥させたものを使用することがポイントです。
無垢フローリングの種類 「針葉樹」
針葉樹のフローリングは、スギ・パイン・ヒノキ・アカマツなどが良く使われます。
針葉樹はソフトウッドとも呼ばれ、軽くて柔らかいのが特長です。
比重が低く、空気をたくさん含んでいるので、断熱効果や蓄熱効果に優れています。
柔らかい分傷つきやすいという面がありますが、部分的な傷や凹みは蒸気をあてることで補修しやすいのです。
日本の住宅のように、家では靴を脱いで素足で過ごすような暮らし方には適していると言えます。
無垢フローリング 「広葉樹」
広葉樹のフローリングは、オーク(ナラ)・メイプル・ウォルナット・チークなどがあります。
広葉樹はハードウッドとよばれ、比重が大きく硬くて衝撃に強いのが特長です。
ただ、比重が大きい分、空気をあまり含んでいないので、針葉樹に比べて冷たいと感じられるかもしれません。
どちらかというと、家の中も土足で生活する欧米スタイルの住宅に向いていると言えます。
❷複合フローリング
複合フローリングとは、合板などの基材の表面に、木や特殊シートなどの化粧材を貼り合わせて作られたものです。
挽板フローリング
のこぎりで、2~3㎜程度の厚さに挽いた無垢材を基材の表面に貼って仕上げたものです。
見た目や質感は無垢フローリングに近いものがありますが、暖かさや調湿作用はあまり期待できませんが、基材に合板を使用することで反りや収縮が起きにくいといった面もあります。
突板フローリング
木を湿らせて0.3~1㎜程度の厚さにスライスした無垢材を基材に接着して仕上げたものです。
見た目は無垢フローリングと区別がつきにくいのですが、挽板フローリングと同様のメリットとデメリットがあります。
また、表面の化粧材が薄いので、紫外線の当たる窓際や、湿気の多い水周りなどで、数年のうちに表面が剥がれてしまうことがあり、無垢フローリングのような修復ができないので、その場合は貼り替えする必要があります。
シートフローリング
木目柄などを印刷した、樹脂・紙・オレフィンなどのシートを基材に接着して作られたものです。
基材の合板以外は木質材料は使用されていませんが、近頃は印刷技術も進歩して、見た目は無垢・挽板・突板フローリングと見間違うことがありますが、手触りや性能は全く異なります。
しかし、安価で丈夫であることと、木調・石目調・タイル調など、種類が多いので、ローコスト住宅や福祉施設、アパートなどではよく使われているようです。
クッションフロア
クッションフロアは、合成樹脂などを原料としてつくられたビニール系の工業製品です。
ビニール系床材ですが、表面のプリントは、木調・タイル調・石調・織物調など、様々なデザインがあります。
ビニール系なので水に強いことがメリットで、汚れがついても簡単に落とせます。
しかし、ビニール系であるがゆえに、熱に弱く、変色や変形しやすいというデメリットがあり、たばこの火や熱湯などをこぼしたりすると、その部分が溶けてしまうことがあるのです。
安価であることと、デザインが豊富で、張り替えがしやすいので、住宅のトイレ、店舗やアパート、マンションなどでよく使われています。
畳
イ草を原料とした、日本古来の床材ですが、最近では、和紙や樹脂を材料とした畳もあります。
畳は、畳床(たたみどこ)・畳表(たたみおもて)・畳縁(たたみべり)で出来ています。
畳床
畳床は、稲わらを素材としてつくられてきましたが、近年は長さのある稲わらの不足や、軽量化のために、ポリスチレンフォームを稲わらでサンドしたスタイロ畳や、木材繊維を傷状に成型した畳ボードを使用することがほとんどです。
畳表
イ草が主な原料で、経糸に綿糸や麻糸を使って織られたゴザで、独特の香りがリラックス効果があります。
日本固有の文化である畳ですが、現在、国内で消費されるイ草の畳の70%は中国産と言われています。
樹脂を素材にした畳表もあり、耐久性に優れているということで、宿泊施設や店舗でよく使われているようです。
最近では畳表の素材として、和紙を素材とした畳表が人気です。
イ草に比べて、耐久性があることと、ダニ・カビの心配や、色あせも少なく、インテリアコーディネートしやすいカラーが豊富に揃っていることが理由です。
畳縁
畳縁とは、畳表の角の摩擦を防ぐため、畳の敷合わせで出来る隙間を防ぐために、畳の長手方向に付けられる布です。
昔は、身分や格式によって色や模様が決められていましたが、今はデザインとして取り入れられることが多くなりました。
最近は、LDKに隣接する和室や畳スペースで、雰囲気をつなげるために正方形畳や縁無畳も増えています。
洋風住宅でも、畳の上でゴロリと横になれるのは根強い人気があります。
カーペット
カーペットには、接着剤で床に直に張り付けたり、グリッパーという針山のようなものを部屋の端全体に打ち付けて固定する「フェルトグリッパー工法」などで部屋全体に敷き込むものと、置き型で取り外し可能なものと2タイプあります。
カーペットは、足触りが軟らかく足腰への負担が少ない、足元からくる寒さを軽減する、歩行や衝撃による音の遮音性などに優れているというメリットがあります。
反面、カーペットはお掃除が大変で、ダニなどのハウスダストが発生しやすいというデメリットがあります。
足触りの良い、毛足の長いカーペットは、飲み物や食べ物をこぼしてしまうと、完全に拭き取ることはできません。
置き型のカーペットであれば取り替えることもできますが、敷き込み式ですと施工の費用も掛かってきます。
床材の種類や素材によって、部屋の雰囲気や住み心地は大きく変わってきます。
どの床材が自分に合っているのか、予算はどうなのかなど、お悩みの場合は是非ご相談ください。
お客様のご要望に、アドバイスを添えてご提案させて頂きます。