カラーコーディネートのポイント

どこに、どの色を、どのくらいの分量で使うかを決定することをカラーコーディネート(色彩計画)といいます。

一般的に、「ベースカラー」「メインカラー」「アクセントカラーの3つで組み立てます。

色数を4~5色程度に抑えてコーディネートすると部屋全体がきれいにまとまります。

ベースカラーは白またはアイボリーのような優しい色を用いると落ち着いた空間に感じます。

また、白っぽい壁や天井は部屋を広く見せる効果があります。

従って、部屋のイメージカラーは、カーテンや家具で決定していくと良いでしょう。

人間は情報の多くを視覚から得ますので、広い領域には淡い(彩度を落とした)色を使い、はっきりとした(彩度の高い)色は範囲を限定して使うなど、目的と滞在時間を考慮したカラーコーディネートが必要です。

色彩の心理作用

インテリアにおける色のイメージは人の心理にも大きく影響します。色の持つ心理作用を使って、見せたいイメージを作り上げてみましょう。

ポイントは「色にはそれぞれ連想するイメージがあり、どの色をどこに用いれば部屋が広くみえる」というルールを把握すること。

配色次第で好みのイメージを演出できます。

それぞれの色の持つ心理作用についてお話ししたいと思います。

桃(中性色)

色の持つイメージ・・・優しい、愛情、幸せ、艶やか

生理的作用・・・女性ホルモンの分泌を促し、若々しくなる。筋肉の緊張・弛緩を表すライト・トーナス値が最も低くなる色で、交感神経に働きかけ脳を活性化し、血行を良くする作用があります。

心理的作用・・・心身を和らげる効果。緊張をほぐし落ち着いて行動ができます。

インテリアや生活で使える心理作用・・・女性らしいイメージが強いため一人暮らしの部屋に使うとフェミニンな印象に。緊張を和らげる効果があります。

赤(温暖色)

色の持つイメージ・・・情熱、派手、活動的、危険

生理的作用・・・心拍数を上げ体温を上昇させる働きがあります。新陳代謝を活発にし、自律神経を刺激して食欲を増進します。消化吸収を高める働きもあります。

心理的作用・・・人を元気にし、生きるエネルギーを与えます。

インテリアや生活で使える心理作用・・・気分を高揚させて活発にする作用。やる気が出て時間経過が早く感じます。人が集まるリビングに向いた色です。はっきりした赤には強い興奮作用があるので疲れやすくなったり落ち着かなくなったりします。集中したい勉強部屋や読書をするようなお部屋には不向きです。

橙(温暖色)

色の持つイメージ・・・健康、元気、活発、団らん

生理的作用・・・食欲増進、社交化、満足感を与えます。脳に酸素を送り、幸福や自信・理解を促進、五感を研ぎ澄ます作用があります。

心理的作用・・・オレンジは楽観的なエネルギーに満ちあふれた色です。落ち込むことなく、やる気を持続させてくれます。

インテリアや生活で使える心理作用・・・陽気な気分でプレッシャーを和らげる。寒い時期には暖かさを感じます。。ダイニングに取り入れると食欲UP。はっきりした橙色は興奮作用があるので寝室には不向きです。

黄(温暖色)

色の持つイメージ・・・楽しい、陽気、元気、希望

生理的作用・・・消化器系の働きを促進して消化不良、胃炎、糖尿病などに良い働きがあります。自律神経の働きを活発にします。

心理的作用・・・時間の経過を遅く感じさせます。知性と理解力を刺激する作用があります。

インテリアや生活で使える心理作用・・・判断力や記憶力を高める効果があります。窓が無く日差しの入らない部屋に使うと明るいイメージを演出できます。はっきりした黄色は時間の流れを早く感じさせる効果や、活動的なイメージから議論を活発にしすぎたりする効果があるので落ち着きたいリビングや応接間のような社交の場には不向きな色です。暗いお部屋のアクセントに使うのがベターです。

緑(中性色)

色の持つイメージ・・・自然、新鮮、平和、安息

生理的作用・・・脳の興奮を鎮める鎮静効果。筋肉の緊張を和らげます。視神経の疲労回復効果、免疫力を高める作用があります。

心理的作用・・・平常心、安心感を取り戻し、ストレス解消、リラックス効果があります。

インテリアや生活で使える心理作用・・・リラックス効果で、癒しのイメージ。緊張緩和や目の疲れにも効果的。寝室や書斎など落ち着かせたい場所に向きます。ただ濃い緑や青に近い緑は鎮静作用が強すぎるので息苦しくなったり、心が沈んでしまったりする場合があるので使い方に注意が必要です。

青(寒冷色)

色の持つイメージ・・・冷静、知性、清澄、落ち着き

生理的作用・・・心を落ち着かせる、心を律する色です。集中力を高め、時間の経過が早く感じます。

心理的作用・・・平常心、安心感を取り戻し、ストレス解消、リラックス効果があります。

インテリアや生活で使える心理作用・・・涼しさを感じ、夏は清涼感UP。鎮静作用や睡眠促進から寝室や、集中力を高める効果を狙って書斎にも。清潔感のイメージから水周りに、心を落ち着け睡眠の状態を整えるので寝室にも向く色といえます。

紫(中性色)

色の持つイメージ・・・高貴、神秘、華麗、上品

生理的作用・・・神経系の反射を鋭くし、自己治癒力を促す。身体の回復機能を高めます。

心理的作用・・・ラベンダーに代表されるようにリラグゼーション効果がある。感受性を高め、情緒を豊かにする作用があります。

インテリアや生活で使える心理作用・・・昔から高貴な色とされ、高級なイメージを演出。刺激がやや強く、気持ちが不安定な時は遠ざけたほうが良いでしょう。寝具に淡い紫を使うと、深い眠りにつくといわれます。神秘的で高貴なイメージがあるので優雅な非日常性を出したいお部屋には欠かせない色です。また瞑想を誘う色でもあるので心を静めるお部屋作りができます。個性が強い上、合う色が少ないので計画的に使わないと落ち着かないイメージのお部屋になってしまうので要注意。

茶(中性色)

色の持つイメージ・・・安心、堅実、ぬくもり、大地

生理的作用・・・・リラックス効果がある・感覚的に時間の経過を早く感じる・食欲を増進させる・アドレナリンを分泌し興奮を促します。

心理的作用・・・暗くなるのではなく、「落ち着いた気分にしてくれる」

インテリアや生活で使える心理作用・・・建具や家具に使われることの多い自然な色。空間に同化・調和しやすく、気持ちに安定を与えてくれます。茶色を部屋に使用することによって現実的で地に足の着いた堅実な視点をもたらしてくれます。茶色のコーディネートをインテリアなど生活空間の中に上手に取り入れることで、じっくりと落ち着いて考えた上で行動するようになると言われています。個性的な空間作りをしたいときには、多く使いすぎないように特に工夫しなければなりません。

黒(中性色)

●色の持つイメージ・・・高級、威厳、厳粛、暗闇

●生理的作用・・・・目が疲れにくい

●心理的作用・・・高級感を与えますが、実際よりも重く感じさせ不安、恐怖、絶望感を与える場合があります。

●インテリアや生活で使える心理作用・・・モダンで高級、シンプルなイメージに最適。他の色も引き立ててくれます。色実が無いため刺激が少ない色ともいえます。

白(中性色)

●色の持つイメージ・・・清潔、純粋、潔白、神聖

●生理的作用・・・呼吸器系に作用し呼吸を楽にする効果がある。すっきりして張りのある感覚があります。

●心理的作用・・・清潔感。若々しい。空間を広く感じさせる効果があります。

●インテリアや生活で使える心理作用・・・他のどんな色とも相性が良く、天井・壁の色に用いられることが多い色です。空間を広く見せる効果があり、白を基調としたインテリアにすることで、圧迫感がなく奥行きができるため、部屋が広くみえます。また、光を反射する色なので部屋自体が明るくみえ清潔感がある部屋に仕上がります。

 

色単体の持つイメージも2色以上の配色で、明度や彩度も変えて組み合わせると、様々な雰囲気に変化します。

次回は、色の組み合わせについてお話ししたいと思います。