制振ダンパー

今回のお題は、「制振ダンパー」についてです。

この制振ダンパーですが、地震に何回も耐えるためには必要なアイテムです。

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制振とは

地震エネルギーを吸収する「制振部材」を建物に組み込むことで、地震発生時の揺れを軽減させます。

柱や梁といった主要構造部材を損傷させないため、建物の被害が少なく、継続使用が可能になります。

震度7の地震が何度も起こるような場合、最初は耐えられても、何回も揺れることで倒壊してしまうことがあっては意味がありませんから、やはり粘りのある建物にしなくてはなりません。

そのためには制振ダンパーというものが必要になると思います。

この制振ダンパーですが、1階の柱と2階の梁に斜めに設置していきます。

制振ダンパーにもいろいろなタイプのものがありますので、種類は選んでいいと思いますが、この油圧式ダンパーにすると、新築でも戸建リノベーションでもどちらも施工しやすいという面で、とてもメリットがあると思います。

この制振ダンパーを付けると、震度7の地震の揺れを震度5に抑えることができるということになります。

写真左上のように、建築基準法を遵守してつくった建物で、震度7の地震が起きた場合、2階の床部分が約33㎜動くという計算になります。

それが制振ダンパーを付けることによって、半分以下の15㎜以下に抑えることができます。

地震による建物のズレと自然派ライフ住宅設計が設置しているウィンダンパー

つまり、建物が壊れにくくなるということです。

実例をあげてみます。

これは私がお世話になったお宅ですが、40坪総二階建ての建物です。

この時、耐震等級3まで上げたかったのですが、新潟という地域性で、どうしても積雪荷重を考えますと、耐震等級3まで上げてしまうと、1階の壁量が増えてしまって、最初に計画していた24帖のLDKがとれなくなってしまうことになります。

やはり施主は、間取りも大事ですので、この24帖のLDKを確保しながら耐震性能を上げることはできないかという相談になったわけです。

実際に計算すると、耐震等級2の数字になりますので、建築基準法の1.25倍の1.39倍になり、耐震等級3の1.5倍には及びません。

*限界耐力とは、地震 が 発生 した際に、 住宅 などの 建築物 が どこまで 地震力 に耐えられるかという指標のこと。

そこで制振ダンパーを16本入れることにしました。

そうしますと、減衰定数が0.1から0.17に改善されて、地震の揺れ幅を抑えることができます。

*「減衰」とは建物が振動するエネルギーを吸収・消散し、時間の経過とともに揺れを小さくしていく効果のことで、減衰定数は減衰の程度(大きさ)を表す値です。減衰定数が大きいほど、より減衰の影響が強く、小さいほど「減衰の影響も小さい」です。

また、加速度低減率も0.75から0.56に改善されて、地震エネルギーを44%低減することができました。

その場合の、限界耐力計算をすると、1.39から2.09まで数字が良くなって、建物の耐震性能が耐震等級3レベルに上がりました。

制振ダンパーを16本設置して24帖のLDKを確保

これは新築物件の例ですが、例えば戸建リノベーションになりますと、地盤改良をしていないですとか、基礎が古いままで、それでも耐震性能について考えていこうとすると、この制振ダンパーは有効ですので、是非覚えておいてほしいと思います。