今回のお題は、「新建材床板 メンテナンス」についてです。
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新建材床板(合板フローリング)の種類
板が何層にも重ねられたフローリングです。複合フローリングとも言います。
複層フローリングであっても当然表面は木目模様が施されますので一般の方からすると表面からの見た目だけでは違いはわかりにくいかもしれません。
このような構造の違いによる分類に加え表面に使用される素材や加工がどのように施されているかで、さらに細かく分類できます。
①突板フローリング
厚さ0.2mmから0.6mmに木材をシート状にスライスした突板が表面に貼ってあります。
表面はウレタン、ガラス、シリコン、UVウレタンなどが塗装されていることが多いです。
製造コストが比較的安く住宅用としてはよくあるフローリングです。
しかし、貼り合わせてあるフローリングですので、傷つくと表面の突板を貫通してその下の板が現れてきます。
②挽板フローリング
木材を厚さ2.0mm以上の厚さで切り出した挽板が表面に貼ってあります。
表面は、突板と同じようにウレタン、ガラス、シリコン、UVウレタン塗装されていたり、オイル仕上げなどで塗膜をつくっている場合もあります。
挽板には銘木など希少性のある木材が使用されることもあり無垢材ほどではありませんが、合板フローリングの中では価格は高めです。
残念ながら、突板フローリングと同じように、傷みが進むと下地の合板が現れてきます。
③シートフローリング
オレフィンシート(プラスティック製のフィルム状シート)に木目を印刷したものが表面に貼ってあり、プリント合板ともいいます。
これはもはや、表面が木質ではありませんので、足触りや調湿効果は期待できません。
価格の安い住宅やマンション、アパートなどでよく使われています。
結論から言いますと、傷つきにくいけれども、傷ついたら治せないというのが、この新建材床板です。
治すとなると、結構大掛かりなリペア工事をしないと、基本的には治りません。
新建材床板の構造
元々この新建材床板がどういうものかというと、写真の断面を見てもらうと分かりますが、表面1㎜程度が表面材で、そこにしっかりとコーティング塗装がされています。

新建材床板の断面
普通の場所で使用する分には、それほど悪くならないのですが、結露が起こるような窓の辺りや、紫外線で劣化しやすいような場所で使用した場合は傷みやすくなります。
そうすると、表面の塗装塗膜が剥がれてきたり、表面の木の単板部分が下地から剥がれてしまって、下地の単板重層材が露出してしまいます。
写真のように、下地の合板が見えてくるという状態になります。

新建材の表面のはがれ
よく、この状態になった床板を治せませんかって言われるんですが、簡単に言うと治せませんと言います。
まあ、専門的なリペア工事が必要になります。
例えば、窓周辺だけを治すにしても、やはり50,000円くらいはどうしてもかかってくるんじゃないでしょうか。
またこれが、広範囲になってくると、もう、傷んだ床板を剥がして、新しい床板を貼り直した方が安くおさまるということが結構あります。
表面が1mmに満たないシート状の木材やオレフィンシートでは一生モノとして考えると強度が足りないでしょう。
頻繁にフローリングを貼りかえるというのは日本独自の習慣で、使い捨てられたフローリングの処理もお金がかかります。
新建材床板というのは、確かに建てた時はいいんですけれども、長く使っていくと、やはりこのような不具合が出てきますので、最初の段階から、これを選ぶべきかどうかということを、しっかりと考えて頂きたいと思います。