今回のお題は、「自然素材 無垢床板」についてです。
結論から言いますと、針葉樹の無垢床板をつかうことで、床暖房がいらない住まい方ができるということです。
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針葉樹と広葉樹
針葉樹と広葉樹では、葉の形が驚くほど異なります。
針葉樹は文字通り、針のように細く尖った形状が一般的です。スギやモミ、マツは、針葉樹の代表格といっていいでしょう。針葉樹なのに平べったい葉をしたイチョウやナギという樹木もありますが、一部の例外的なものに限られます。
一方、広葉樹の葉は、広くて平べったい形。ツルツルとした楕円形から、モミジに代表されるようなギザギザの切れ込みが入った形まで、個性豊かです。なかには、トチのように何枚かの葉が集まってひとつの葉を形成する「複葉」というタイプもあるのです。
針葉樹と広葉樹を分ける特性は、見た目だけではありません。
じつは、細胞や組織といった内部の構造がまるで違います。
針葉樹は細胞組織の構造が単純で細胞密度が低いので、樹木の細胞組織の間には空気を通す穴が無数に空いています。
広葉樹は針葉樹に比べて組織構造が複雑で細胞の種類が多いので、細胞の密度が高いため穴が少ないのです。
この差により、針葉樹は柔らかく軽い材質となり、広葉樹は硬く重い材質となるのです。
針葉樹
針葉樹には、スギや赤松、ヒノキなどがあります。

スギ無垢浮造り加工30㎜厚の床材のLDK
広葉樹
広葉樹には、ナラやタモ、ケヤキなどがあります。

オーク(ブナ科コナラ属)無垢床材のLDK
針葉樹の無垢材の長所
なぜ針葉樹の無垢床板がいいかというと、まず木肌の軟らかさですね。
木肌の軟らかい床板ですと、足触りがとてもいいです。
また、針葉樹には空気層がたくさんありますので、冬でも冷たくならず、梅雨時でもサラサラしているので、スリッパも必要なくなります。
床暖房がいらなくなるというのも、大きな利点になると思います。
この床暖房についてよく言われるのが、床暖房を設置したはいいけれども、2~3年で使わなくなってしまうという方よくいます。
なぜかというと、施工費もかかるんですが、それ以上に維持費がかかってしまうという問題があるからです。
維持費がかかり過ぎてしまうために、床暖房を止めてしまって、一般的なストーブで暖房するなどという話をよくききます。
それであれば、床暖房にお金をかけずに、床の素材にほんの少しお金をかければ、冬は室内の空気を暖めることで蓄熱してくれて暖かい、足触りのいい無垢床材にすれば、居心地のいい空間ができるのではと思います。
針葉樹の無垢材の短所
短所としましては、やはり傷つきやすいというところがありますね。
また、汚れが心配ということや色ムラがあること、コストが心配というところでしょうか。
傷つきやすいということについては、わりと容易にメンテナンスできる方法があります。
一般的な新建材の床材ですと、傷つきにくいけれども治しにくいというところがあります。
無垢の床材はですと、傷はつくけれども治しやすいといいうところが利点だったりします。
色ムラについては、最初貼ったときは色ムラがありますが、半年も経たないうちに、だんだんと日に焼けて、色が統一されてきます。
このように一長一短はありますが、住み心地がいいという面では、無垢床材も考えて頂ければと思います。
また、無垢材は呼吸しますので、室内の調湿効果がありますので、是非考えてみてください。