今回のお題は、「屋根材 ガルバリウム鋼板」についてです。
今、ガルバリウム鋼板はいろいろなところで使われています。
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛を主とした金属板の一種で、主要な屋根材の一つです。
業界では「ガルバ」や「GL鋼板」などと略されます。
新築の場合はいいのですが、リフォームの場合は注意が必要です。
例えば既存がセメント瓦ですと、ガルバリウム鋼板にする場合は、下地を治す費用も掛かります。これは覚えておいて欲しいと思います。
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ガルバリウム鋼板の利点
このガルバリウム鋼板の利点は何かというと、やはり軽いということでしょうか。
耐震性能を気にされる方は、屋根を板金にしたいといいます。
屋根を軽くすることは、耐震性能に関しては非常に良いことだと思います。
また、基本的には錆びません。
表面から錆びることはないんですが、ガルバリウム鋼板は切断した小口から錆びるという欠点がありますので、切断面にタッチアップ塗装をして錆びにくくする工程が必要です。
また、屋根勾配を抑えることができるという利点があります。
既存の屋根や、新しくつくる屋根に勾配を取れない場合は、板金系の屋根で勾配を緩くすることができます。
ガルバリウム鋼板は他の屋根材と比較しても、水はけ能力に優れているため、瓦やスレート屋根では対応できない勾配の緩い屋根にも広く対応することが可能です。
ガルバリウム鋼板の欠点
欠点としましては、やはり塩害地域に弱いといういうことでしょうか。
「メンテナンスはいらない」などの誇張表現が使われる屋根材ですが、ガルバリウム鋼板と言えど、メンテナンスは必須です。
基本的には錆びませんが、切断面の小口の処理が必要ですので、塩害地域は気を付けていただきたいと思います。
また、きちんと処理をして施工すれば、確かに錆びないんですが、経年変化で、塗装の艶が無くなって、見た目が悪くなるということがあります。
塩害地域では、早く艶が無くなるということも考えましょう。
基本的なメンテナンスとして、1年に1回は水洗い、5年に1回は点検、10年に1回は再塗装をすると、見た目も持ちも良くなります。
耐火性能については、板金ですのでさほど良くはありませんので、注意してください。
よく言われるのが防音性についてです。
ガルバリウム鋼板は薄いので、音や振動が伝わりやすく、雨音が響きやすいのも欠点の一つです。(屋根勾配が緩いお建物の場合は、特に響きやすい)
雨やあられが屋根に当たると、その音が室内に響きますので、防音対策が必要です。
これらのことを考えて、ガルバリウム鋼板を使った方がいいのか悪いのかを考えて頂きたいと思います。
ガルバリウム鋼板のコスト
コスト面では、40坪の総二階建ての家であれば、素材と貼り手間を合わせて60万円くらいかと思います。
ただし、戸建リノベーションの場合は、既存のセメント瓦をガルバリウム鋼板に変える際、防音対策が必要ですのでその分のコストが掛かります。
また、セメント瓦の鼻先をガルバリウム鋼板用の鼻先に取り替えなければなりません。

鼻先
そうなると、大工さんにも入ってもらうことになりますので、その費用も掛かります。
これらを踏まえて、ガルバリウム鋼板にするかどうかを確認して頂きたいと思います。